江戸川区 虐待防止に子育て助っ人 「おとなりさん」住民派遣へ


東京新聞
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 地域力で子ども守れ-。
子どもの養育が困難な家庭で児童虐待や
育児放棄を防ぐため、
子育てに関心のある住民が家庭を公費で手助けする
「おとなりさんボランティア」が、東京都江戸川区で始まる。
親の同意で家庭を訪れ、中学生以下の子どもに
買い物や料理、掃除の仕方を教え、
勉強や遊びの相談にも乗る。
住民主体で支援を担うのは珍しい。 (村松権主麿)

 「昔のように近所のおじさんやおばさんが
地域の子どもを育てるイメージ」と区児童女性課。
既にボランティア養成講座を開いており、
昨年度は三十人が受講した。
四月から新たに五十人を募集。
受講を終えた人からボランティアを選ぶ。
乳幼児がいる家庭には子育て経験がある人も派遣する。

 まず問題の深刻度が軽い五家庭を対象に、
新年度から週一回、年間で四十八回派遣する。
一回で三千五百円の報酬を区が払う。
深刻なケースは区の子ども家庭支援センターが
関係機関と組んで取り扱う。

 民生・児童委員や保育、教育経験者らによる
同様の支援事業は江東区でもある。
江戸川区は、子どもの問題に関心を寄せる
住民にも幅を広げて手助けを求める。
区は「支援できる人を幅広く養成する。
派遣されない人でも、問題のある家庭の
発見や声かけなど、地域で活動をしてもらう」と話す。

 虐待防止の啓発活動をしている江東区の
市民団体「ママリングス」の落合香代子代表は
「子育てがつらいとか、手伝ってほしいと思わない親はいない。
幅広く一般の人に支援に
関心を持ってもらうことは必要だ」と指摘。

 また、子育て支援に詳しい恵泉女学園大学の
大日向雅美教授は「地域で子育てに役立ちたい人は
潜在的に多く、近所の相互扶助には期待できる。
ただ、素人を養成するにはカリキュラムが重要だ。
トラブルがあったときのバックアップシステムづくりも
欠かせない」と話している。
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