保育定員5万人分不足 17年度、待機児童ゼロ未達成も

日本経済新聞
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 政府は28日、待機児童を解消するとした2017年度時点で、
保育の必要な0~2歳児の数に対し、
保育の定員数が約5万人分不足する見通しを明らかにした。
安倍晋三政権は17年度までの5年間で、
保育所や認定こども園など40万人分の受け皿を増やし待機児童ゼロを目指すが、
達成できない可能性がある。自治体への働きかけや、安定財源の確保が課題となる。

 28日午前に開いた子ども・子育て会議で、
全国の自治体から集計した保育の需給見通しを公表した。
待機児童が最も多い年齢層の0~2歳児をみると、
保育が必要な子どもの数は17年度で計116万人いる。
これに対し自治体が確保できるとした定員数は計111万4千人で、
差し引き4万6千人分が不足する。
18年度には1万5千人分、19年度にも1万1千人分が不足する見通しだ。

 政府は保育の需要が17年度にピークを迎えるとし、
昨年度から自治体への支援を強化した。
来年4月施行の新制度で従来認可外だった保育施設にも補助を広げることなどで、
保育の受け皿を40万人分増やす計画だ。
これにより17年度末に待機児童を解消できるとしている。

 だが今回の集計で、実際の需要に供給が追いつかない可能性が明らかになった。
自治体による受け皿整備は、13~14年度の2カ年で20万人分の目標に対して
19万人分を確保し計画に近い水準だが、
一層のてこ入れが求められそうだ。
消費再増税の延期で不確かになった安定財源の確保への道筋を付けることも必要だ。
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