男女の違いに関心…「大事なところ」優しく諭す

yomiDr.
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子どもは、自分でトイレができるように練習する3歳頃になると、
男と女の性差に気づき、興味を抱くようになる。

 専門家は「優しく、愛情豊かに接しながら、
興味が強くなりすぎないようにうまく誘導してほしい」と助言する。

 青森市の主婦(44)は1年半前、寝室で長女(5)が長男(7)の
下半身に触れているのを見て慌てた。
1人ずつ別の部屋に連れて行き、
「大きくなって、大切な人ができてからね」と優しく諭した。
2人はうなずき、その後はしなくなったという。

 男女の違いに気づくのは、幼児期のおしっこの時が多い。
男の子は立ったまま、女の子はしゃがんでするからだ。
公立中学の養護教諭で、子どもの心と体についての著書などがある金子由美子さんは、
「どうしてだろうと素朴な疑問を感じてしまう。男の子にあって自分にない、
と女の子が気にして、立ちしょんをしたがる子もいます」と話す。

 「違うと思うから気になる。
ならば、実は同じなんだと教えてあげるやり方がある」と金子さんは提案する。
母親のおなかの中にいた時、最初はみんな女の子の形だったが、
ある時に男の子は形が変わる、などと、
男女の性が分かれていく過程を子どもにわかりやすく説明するのだ。
女の子は自己肯定感を得られやすい。

 性器を触ることが気になる親もいるが、
「触ることは男女を問わず、胎児の頃からしている、ごく自然なこと。
子どもは自分の体に好奇心を持っているから、触って確かめるんです」と金子さん。

 ただ、頻度が高いようなら、寂しさを紛らすためのことがある。
親にかまってほしいというメッセージを発している場合もある。
「親が一緒に遊んだり、散歩したりしてあげて」とアドバイスする。
性器が赤くなったり、ただれたりしていないかも親が見てあげる方がいいという。

 衛生面からも問題が多い。性器は体の他の部分に比べて柔らかく、傷つきやすいためだ。

 全国の幼稚園や小中学校などに講演で出向いている、東京家庭教育研究所の講師佐藤カヨさんは、「大事なところは傷つきやすいから、いじらないでね」と言って聞かせることを提案する。「そんなことをしないで」と強く言ってしまうと、子どもは隠れてするようになるので気をつけたい。

 佐藤さんは、「大事なところは、
人前ではちゃんと隠すと教えてあげることも大切」という。
例えば、身内である家族と一緒に家の風呂に入った時、
子どもは開放感がうれしくて裸のまま部屋の中を走り回りがちだが、
親は体を拭いた後、バスタオルを腰や胸に巻いてあげる。
下着もすぐ着る習慣をつけさせる。

 「男の子は、面白がって『おちんちん』と繰り返し言うことがある」と金子さん。
親が慌てて「やめなさい」などと叱ってしまうと、
子どもは逆に、もっと連呼してしまう。
「人前では口に出さない言葉よ」とさらりと教え、
受け流せば、子どもは興味をそがれて落ち着いていく。

 佐藤さんは、「心が生まれると書いて『性』。
親が心を込めて愛情豊かに接していくことが大切です。
子どもは心が安定し、健全に成長していけます」と話している。


性差について教えるポイント

 ・「男の子は出っ張っている。女の子は中に入っている。
どっちも大事よ」と言ってあげる

 ・性器がかぶれたりしていないか、注意して見る

 ・「大事なところは人前で見せない」と教える

 ・性器の機能の違いを具体的には教えない
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