サポウイルスに注意、教育施設で集団発生も- 感染性胃腸炎の一種、下痢や嘔吐の症状

CBnews
------------------------------------------------------------------------------------------------
 感染性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種「サポウイルス」の集団発生が相次いでいる。
下痢や嘔吐などを伴うもので、保育園や学校、福祉施設などで多数の患者が出ている。
千葉県も今月5日、いすみ市内の中学校で集団発生があったと発表。
同県は手洗いやうがいといった予防策の徹底や、
便や嘔吐物で汚れた床や用具の消毒などを求めている。【新井哉】

 サポウイルスはノロウイルスと同じカリシウイルス科に属し、小腸の粘膜で増殖する。
「サポ」の名は、発見された地名(札幌)に由来しているという。
食中毒の件数はノロウイルスの次に多く、
調理従事者の関与が指摘される大規模な食中毒の事例も少なくない。

 主な症状は下痢や嘔吐、発熱などで、潜伏期間は12―48時間。
発症期間は1-2日間で、長い場合は1週間程度続く。
症状が消えた後も1―2週間ほど便にウイルスが排出されるため、
二次感染への注意が必要とされている。
サポウイルスに効果のある抗ウイルス薬はなく、
脱水症状がひどい場合、輸液など対処療法が行われる。

 国内では、教育施設で感染が広がる事例が後を絶たず、
奈良県では今年1月、桜井市と葛城市の小学校で同じ時期に児童の集団発生があったほか、
2月に鳥取県の小学校、4月に佐賀県の障害者支援施設、
9月下旬から10月上旬にかけて千葉県の小学校、
10月に秋田県の保育園でそれぞれ集団発生があり、
児童らの検体からサポウイルスが検出されたという。

 今月5日に発表があった千葉県のケースでは、
11月26日に初発とみられる生徒が腹痛などの症状を訴え、
医療機関を受診し、感染性胃腸炎と診断された。
同県によると、翌日以降、同じ症状の生徒が続出。
約50人の生徒が発症したが、入院した生徒はいなかった。

 同県は学校や保育所、社会福祉施設に対し、
「児童や生徒、職員などの健康管理に努めて」と注意を呼び掛け、
複数の患者が発生した際は、速やかに保健所に連絡することを求めている。
また、県民に対しては調理や食事の前、トイレの後などに手を十分洗うことを促している。
------------------------------------------------------------------------------------------------