市立全小中学校を小中一貫校に 加東市が方針

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 兵庫県加東市が、市立の9小学校と3中学校全てを、
2021年度以降に設ける小中一貫3校へ統合する方針であることが9日分かった。
社、滝野、東条の旧加東郡3町ごとに一貫校を置く計画。
現在の東条中校舎(1964年完成)が土砂災害警戒区域にあるため、
東条地域の一貫校は最も早い21年4月の開校を目指す。

 同市教育委員会は、小学6年・中学3年の「6・3制」から「4・3・2制」への変更や、
中期の3年間(現在の小5~中1)から一部教科担任制の導入を検討するとしている。
市企画部は、統合により通学距離が長くなる地区に対しては、
バスなど市内の公共交通を整備する中で対応を考えるという。

 この日の加東市議会公共施設適正化検討特別委員会で市側が説明した。
兵庫県教育委員会によると、市町立の全小中学校を一貫校として統合する
具体的な計画を明らかにした県内の自治体は、これまでにないという。

 加東市は2006年に旧3町が合併して発足。
重複する公共施設が多く、統廃合や新設を10年間で進める
「公共施設適正配置計画」を15年度に始める。
その中で小中一貫校の整備を掲げた。

 兵庫県内では神戸、姫路市などが小中一貫教育を実施しているが、
市内全域で統合校舎を建設する計画はないという。(田中靖浩)

 【小中一貫教育】
 義務教育9年間で連続した教育課程を立てやすく、
中学進学時にいじめや不登校などが急増する「中1ギャップ」問題の
軽減などが期待できるとされる。
文部科学省は2015年の通常国会に、
小中一貫校を制度化する教育基本法改正案を提出し、16年春の施行を目指している。
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