子供の声うるさい…苦情で保育所整備滞る例も

YOMIURI ONLINE
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 待機児童解消に向けた保育所整備が期待される中、
都心部の保育所には「子供の声がうるさい」という苦情が寄せられている。

 東京都内では、これらの苦情で保育所の整備が滞ったり、
「何人も騒音を発生させてはならない」という都条例の規定を理由に
訴訟に発展したりしたケースも。
都は条例改正の検討を始めたが、静かな環境を求める声にも配慮が必要で、
対応は簡単ではない。

 「忍者さんになってそっと出て行くよ」。
外に出る子供たちにそう声をかけている「愛里武蔵関保育園」(東京都練馬区)。
閑静な住宅街にあり、近隣に配慮して歓声を上げさせないように注意している。

 2012年9月の開園後、すぐに「子供の声がうるさい」と近隣住民から電話があった。
約300万円かけて園庭周囲と上部を防音材で覆い、
週3日、各1時間しか使わないようにした。

 現在、苦情はなくなったが、
「庭は子供にとって絶好の遊び場。
太陽の光を浴びさせて思いっきり遊ばせてあげたいのに」と保育士の表情は浮かない。

 厚生労働省によると、全国の待機児童は今年4月現在2万1371人、
うち都内では8672人に上る。
一方、今年3~9月、都内62の全区市町村を対象に実施した
都のアンケート調査では、保育所の子供の声を巡って苦情が寄せられた自治体は7割。
保育所の建設が中止・延期された事例も2件確認された。
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