2015/09/24

超人気「家事・育児代行サービス」体験記

ママにだっこする赤ちゃんのイラスト(ソフト)


PRESIDENT Online
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共働き夫婦に子供ができた。ご近所付き合いはないし、高齢の親は頼りにならない。家事・育児をどうするか。誰にでも起こりうる事態である。渋谷区在住のサラリーマンが赤裸々につづる体験記。
独身時代に海外赴任したとき、会社借り上げの家にハウスキーピング(家事)サービスがついており、仕事に行っている間に掃除が終わっている生活は思った以上に快適だった。帰国後も体を壊しそうな激務の中、外注したいと考えたところ、知人に勧められたのが区のシルバー人材センターだ。
高齢者に短期的な仕事を提供する公益法人のため、民間に比べて時給は安く、都内だとおおむね1000円前後が相場のようだ。とりあえず1回3時間、週1回程度で掃除、洗濯をお願いすることにした。最初に来たのは60代後半の方で、ベテラン主婦らしい家事に満足していた。ただ、ほどなく辞めてしまい、その後もどんどん人が入れ替わる。民間と違い、次の人が見つかるまで時間が空いてしまいがちなこと、人によってスキルや体力に差があるのが難点だった。
その後、30代半ばで結婚。総合職でバリバリ働く妻と相談して、シルバー人材センターのサービスを週2回に増やして続けることにした。外注費は月に約2万円強、2人暮らしなら洗濯と掃除はほぼしなくてよくなる。夜遅く帰宅して家事をどちらがやるかで争うこともなく、妻も大満足だった。
しばらくして妻が妊娠。管理職のため早期復帰を考えていたが、どちらの両親も高齢のうえ、地方在住で長期間頼るのは難しい。何とか外注で乗り切れないかと、徹底的に家事・育児外注サービスを調べてみることにした。
経験者によると、最も大変なのは産後1カ月。母体が回復していないうえ、3時間おきの授乳で寝られないという。となると、問題は退院直後の妻の食事と睡眠時間だ。
そこで見つけたのが産後専門のヘルパーサービス。時給は2500~3000円程度と、通常のベビーシッターより高めだが、新生児の世話から、調理、掃除や洗濯まで一通りこなしてくれる。
幸い、居住している渋谷区には「にこにこママ」という育児支援ヘルパー派遣制度があり、この手のサービスを指定のシッター会社を通して、時給800円で1日4時間まで、合計40~90時間まで使えるそうだ。事前登録が必要で登録から派遣まで1週間程度かかるため、産休に入ってすぐ妻が登録に行く。

子供をシッターに任せて別室で休む

区が契約しているシッター会社は3つほどあったが、妻は友人が利用していたジャパンベビーシッターサービスを希望した。この手の制度は内容も金額も自治体によってさまざまなので、使いたい場合は早めに調べておくとよいだろう。とにかく睡眠不足を恐れる妻の意向で、基本、シッターには育児を頼み、その間妻は別室で休む計画に。食事は宅配弁当を頼むことにした。
また、子供のアレルギーなどを防ぐべく、ダスキンに依頼して部屋のエアコン2台と6畳程度のカーペットをクリーニングすることに。料金は3万円程度。安くはないがプロならではのサービスなので、年に1度くらい、台所のレンジフードや浴室など大がかりな掃除を徹底的にやってもらいたいときにまた使いたい。
そしてあっという間に出産となった。退院日が決まったところで、前述の区のサービスに申し込む。1回目は区に連絡、2回目からはシッター会社に直接連絡すれば来てくれる。退院翌日からヘルパーが来てくれたので妻はしっかり休めたらしい。とりあえず1週間ほど連続で発注してみたが、妻が睡眠不足でないときには(ルール違反かもしれないが)家事や買い物も頼んだという。保育士の資格を持っている人も多く、育児や保育園選びの相談にものってくれたとか。なかにはやや相性がよくない人もいたようだが、預けて外出しても心配になるほどのことはなかったという。

社の福利厚生制度をフル活用

産後1カ月が経ち、子供が3時間おきに目を覚ますような時期を過ぎた頃、近所に住む自営業の友人からフィリピン人シッター兼お手伝いさんの紹介があった。家で雇っている人を週1回シェアしないかというのだ。現在、家事労働を目的とした外国人を雇用することは一定の条件を満たした外国人にしか認められておらず、私たち日本人が雇えるのは、日本人または永住権を持つ外国人を配偶者としている人などに限られる。
紹介を受けた人は日本人と結婚していた。この手のフィリピン人シッターの都心の時給相場は1500円ほどで、個人契約になるので事故のときの補償などはないが、都心の知人で雇っている人は増えており、評判はおおむね良好だ。ちょうどシルバー人材センターのお手伝いさんが辞めることになったので、頼んでみることにした。
やってきたのは30代の女性。平均的な日本人シッターやお手伝いさんより若く、家事と育児を同時にやってくれ(シッター会社の場合は基本不可)、最新家電の扱いにも慣れている模様。4時間ほど子供を預けておくと、同時に家中片付いているのだ。日本語も話せるが、英語であやしてもらえれば教育上もよいのではないか。
そしていよいよ妻の復帰日が近づいてくる。保育園は決まったものの、病気など突発的な事態にはシッターが必要となる。調べてみると私の会社は福利厚生外注企業であるベネフィット・ステーションのすくすく倶楽部というサービスに加入しており、指定のシッター会社や保育施設を利用する際は補助金が出ることが判明。シッターに関しては、1時間につき700円を1日2時間、月30時間まで補助してくれる。特定のシッター会社と契約している企業もあるようなので、会社の福利厚生制度はきっちりチェックしておきたいところだ。当面は、補助金を使いながら、産後に使ったシッター会社を自費で利用することにした。時給は2時間3672円から(別途年会費などが必要)。
同時期に出産した妻の友人は別のシッター会社であるポピンズと契約したという。2200円からと時給はやや高めだが、オプションで家庭教師や英語などのサービスをプラスできる。また、スーパーナニーというさらに専門性が高いコースもあるため、わが家も今後、検討対象にしたいと思う。

もっと外注を使いやすく

現在、わが家が健全に共働きを実現できているのは外注サービスあってのこと。かつて私が駐在していたアジアの国では女性のほとんどが働いており、家事の外注は特別裕福でなくても当たり前だった。
女性の社会進出を後押しするため、また高齢者や主婦の雇用の受け皿としても外注サービスはより身近になるべきだ。安倍晋三政権のもと、日本人家庭への外国人の家事労働者の導入も検討されているようだが、それも含め、さらに使いやすいシステムを構築することが、誰にとっても優しい社会への第一歩ではないか。
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