保育指針10年ぶりに見直し 少人数保育の充実へ


NHK
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保育施設を利用する子どもが増え続けるなか、厚生労働省は、保育指針を10年ぶりに見直し、成長の個人差が大きい乳幼児については少人数の保育を目指すことになりました。
先月31日は厚生労働省の専門委員会が開かれ、保育指針の見直し案が示されました。
この中では、保育施設を利用する子どもが増え続けるなか、成長の個人差が大きい3歳未満の乳幼児の保育を充実させるべきだとしています。具体的には、乳幼児期の保育は、その後の成長や社会性を身につけるうえで重要だとしたうえで、一律ではなく、それぞれの子どもの身体的、精神的な成長に合わせて少人数で保育することが重要だとしています。また、核家族化が進むなか、子育てに悩む保護者が相談できる場所を作るなど保護者への積極的な支援が必要だとしています。
厚生労働省は、専門委員会が年内に取りまとめる報告書を踏まえ、保育指針を見直し保育の質の向上につなげたいとしています。

個別保育実践の施設は

子どもの特性に合わせた保育を実践している先進的な施設もあります。

東京・板橋区の東京家政大学が設けた保育施設では0歳から3歳までの14人が利用しています。ここでは、担当する子どもの体調などに合わせた保育が行われています。
例えば、昼食は、保護者から朝食の量を聞き取って子どもたちがおなかが空く時間を予測し、食べたいという意思表示をした子どもから先に食べ始めます。庭の鉢植えの草花を触っている子どもがいれば、一緒に楽しんで触り方を教えるなど、あらかじめ決められた遊びではなく、子どもの興味や関心に合わせて遊ぶ時間をとっています。保育施設の井桁容子主任は「それぞれの子どもに合った保育をすると、自分を理解してもらえていると感じて大人と信頼感を築けるようになるなどコミュニケーション力を身につけることができます」と話していました。
さらに、この保育施設では、子どもの様子を記録した連絡帳を保護者とやり取りして子育ての相談にも応じています。3人の子どもが施設を利用している黒坂健さんは「長男を預け始めたころは、初めての子育てでこれでいいのかなとか周りの目を気にして不安だらけでしたが、この年齢では普通ですよなどと丁寧に説明してもらい、ささいな悩みを聞いてくれるので助かっています」と話していました。
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