園庭を芝生に 幼稚園児、保護者自ら植え付け プロが指導、7園で整備完了 /静岡


毎日新聞
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 三島市が市立幼稚園(全11園)の芝生化を進めている。園児や保護者、園職員が自ら植える参加型の取り組みで、2012年度以降、今月までに7園の整備を完了した。技術指導するのは、02年日韓W杯のサッカー場の芝の管理責任者だった静岡市清水区の造園業「グリーンマスターズ清水」の佐野忍社長(65)。園庭に植えられた芝は清水エスパルス三保グラウンド(静岡市清水区)の兄弟株という。
     「子供たちはとても喜んでいて、早く芝が伸び、株同士が手をつないだように一面に広がるのを見たいといっています」。三島市旭ケ丘幼稚園の園庭で、植え付けたばかりの芝の苗を前に斎藤さち子園長(60)が話す。
     今月2日にあった植え付けでは、炎天下の下、園児や保護者、幼稚園職員ら約100人が参加。園庭約270平方メートルに、スコップで50センチ間隔で穴を掘り、西洋芝の一種ティフトン芝のポット苗と肥料を入れ土をかぶせた。自動散水機も3台整備し、今後、月1回肥料を与え、年3回の草取りなど手入れを続ける。同市は今年度、同市沢地の沢地幼稚園でも芝生化を実施した。
     佐野社長は整備を担当している三保グラウンドで間引いた2トントラック4台分の芝からポット苗を育て、芝生化を進める県内各地の学校施設などに提供してきた。芝生化を業者に依頼すれば、1平方メートル当たり600円と高価だ。しかし同市のように苗ポットを使うやり方なら、素人でも扱いやすく整備費も抑えられ、県が園庭の芝生化に出す補助金(上限150万円)の枠内で整備できるという。
     佐野社長は「土のグラウンドでは思い切り転べなかった子供たちが転び方を覚え、スポーツの限界に挑戦する心を養える」。同市子ども保育課の米山悠己主査(39)も「子供たちが安全に生活できるよう整備を進めていきたい」と話している。【垂水友里香】
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