保育士大量退職で保育所への指導求める請願


NHK
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 福岡県太宰府市の認可保育所で、労働環境が悪いなどとして昨年度1年間に保育士など30人が退職しました。これについて保護者らが、保育所に対する市の指導を求める請願書を太宰府市議会に提出し、市議会は全会一致で採択しました。
 太宰府市によりますと、市内の私立の認可保育所で、昨年度1年間に保育士18人を含む職員30人が「休みが取れない」とか「パワハラがある」として退職しました。
これについて保護者らは先月「保育の質や子どもの安全に不安がある」として市の指導を求める請願書を市議会に提出しました。
23日は、太宰府市議会の本会議が開かれ「保育士の確保と保育の質の向上について運営の指導を積極的にすすめるべきだ」として全会一致で請願書を採択しました。
太宰府市によりますと、ことし3月に福岡県と市がこの保育所に立ち入り調査を行い、時間外勤務の記入がずさんなことや出張旅費の未払いがあるなどの問題点を確認し、口頭で改善を指導したということです。
指導に対し保育所は新たに保育士を雇い、現在は21人の保育士が勤務していて、県によりますと保育士の数は県が定める基準を満たしているということです。
しかし保護者らは「担任が頻繁に入れ代わっていて子どもが情緒不安定になるおそれがある」とか「経験が少ない保育士が多く、子どもの安全面が不安だ」として、市により厳しい指導を求めています。
太宰府市の芦刈茂市長は「請願を真摯(しんし)に受け止め、保護者が安心できるよう県と協議して指導していきたい」とコメントしました。一方、保育所は「行政の指導のもとに改善に取り組んでいるのでコメントすることはない」としています。
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