神戸新聞様
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保育士資格があっても育児などで離職した「潜在保育士」に向けて、兵庫県と神戸市が、職場復帰を呼び掛けるダイレクトメールを発送している。対象は、県が登録する３０代以上の保育士で推計約２万９千人。再就職する際の準備金として国が上限２０万円を貸し付ける新制度などをＰＲし、保育士の確保を狙う。
県によると、県内で働いている保育士は推計値で約１万４千人。待機児童解消のため、各市町が保育所などの定員拡充に取り組んでいるが、保育士は不足しており、有効求人倍率は今年１月時点で２・７２倍という。
ダイレクトメールは県保育協会が発送。県に登録済みの潜在保育士は約３万５千人で、そのうち３０～５５歳が対象となる。県は再就職を促すことで、２０１９年度までに保育士２千人増を目指す。
再就職準備金の貸し付けは国が１５年度に設けた制度で、全額国庫負担。利用できるのは離職後１年以上などの条件があり、継続して２年以上働けば返還が全額免除となる。準備金を充てるのは、住居を借りる際の手数料や通勤用の自転車購入費などを想定している。
潜在保育士には、県と市がそれぞれ設置し、求人や求職情報を紹介する「保育士・保育所支援センター」への登録も呼び掛ける。
保育の受け皿拡大は７月の参院選でも争点の一つで、与野党は保育士の賃上げなど待遇改善を公約に掲げる。政府は今月、１７年度から賃金を月６千円程度引き上げ、経験を積んだ職員は月約４万円上がるよう手当てする方針を表明。民進党は先んじて、ほかの野党とともに今年３月、月５万円引き上げる法案を衆議院に提出している。（若林幹夫）
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