地域限定保育士 効果は未知数


河北新報
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 仙台市が国家戦略特区を利用し、10月に初めて実施する地域限定保育士試験の受験受け付けが、7月に始まった。通常は年1回の受験機会を2回に拡大するとともに、登録後3年間の勤務地を市内に限ることで保育士不足を解消するのが狙い。ただ、保育士試験は国の指導で本年度から全国的に年2回実施されることになり、地域限定の効果は未知数だ。
 地域限定保育士試験は2015年度に千葉県成田市、神奈川県、大阪府、沖縄県が初めて実施。保育士試験が2回に増えたため、4府県市でそれぞれ14年度の1.5~2.5倍の合格者が出た。
 厚生労働省によると、4府県市の試験では早く資格を取得したい他県からの受験者が目立ったが、受験地での勤務を希望しない人も半数程度いた。
 神奈川県は「勤務地の限定が受験者の不利益になることもある」として、本年度は地域限定試験を取りやめた。同県でも、受験者に占める県内就職希望者の割合が通常の試験と変わらなかったという。本年度は仙台市と大阪府のみが地域限定試験を実施する。
 資格を持ちながら就労していない「潜在保育士」の掘り起こしを担う宮城県保育士・保育所支援センター(青葉区)には、保育士不足を懸念する人や子育てが一段落した人らから地域限定保育士試験に関する相談が寄せられ、関心は低くない。市の担当者は「市内で就労してもらえるよう、施設見学会や情報提供を充実させたい」と話す。
 地域限定保育士試験の筆記試験は10月22、23日。筆記合格者は12月11日の実技試験に進む。受験希望者は7月27日までに申し込む。連絡先は保育士試験事務センターのフリーダイヤル(0120)419482。

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