児童虐待防止へ支援拠点=食事、衛生面で定期指導-厚労省方針


時事通信
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厚生労働省は、子どもの養育に問題を抱える家庭を支援する拠点の整備を進めるため、市町村に関連経費を助成する方針を固めた。支援拠点は、児童相談所(児相)が虐待を受けた子どもを一時保護するケースには至らないものの、家庭訪問で食事や衛生面の定期的な指導が必要なケースなどに対応し、虐待の深刻化を防ぐ。2017年度予算概算要求に職員の人件費などを盛り込む考えだ。
 拠点整備への助成はプライバシーが確保できる相談スペースの整備や、児童福祉司ら専門職員の配置などを要件とする方針だ。複数の市町村による共同設置も認める。
 都道府県や政令指定都市が設置する児相は子どもを親から一定期間引き離す一時保護を決定し、保護施設への入所手続きを行うことができる。ただ、対象となるケースは、暴力で子どもが危険にさらされるといった緊急性の高い場合などに限られる。 
 一方で、一時保護の対象とならなくても、親がストレスをため込むと子どもに暴言を吐いたり、食事作りや掃除が怠慢になったりするケースもある。厚労省はこうしたケースについて、住民により身近な市町村が生活環境のチェックや親のストレス緩和のためのカウンセリングを継続的に行えば、虐待防止につながると判断。拠点整備を後押しすることにした。
 全国207カ所の児相が14年度に対応した児童虐待の件数は8万8931件で、24年連続で最多を更新した。新たな支援拠点の整備は、児相は深刻なケースなどに注力し、きめ細かな指導は支援拠点が行う役割分担を進める狙いもある。
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