小学校始業式に警官配置 幼稚園の庭遊び中止


毎日新聞
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 和歌山市の建設会社「和大(わだい)興業」で29日朝、男性従業員4人が死傷した射殺事件。社長の次男で元従業員の溝畑泰秀容疑者(45)は依然逃走中で、近くの幼稚園では、保護者らが不安を抱えながら子どもらを連れて登園した。市立小中学校は9月1日に始業式を迎えるため、和歌山県警と市教委は警戒を強めている。
     事件現場から西約700メートルにある「私立みどり幼稚園」。長女(6)と来たパート従業員の女性(37)は、消防士の夫が昨日朝からの大雨の影響で出勤しており、顔を合わせていないといい、「私が家を守らないといけないので不安だ」と話した。長女(5)を連れた主婦(38)は「自宅の窓を開けず、戸締まりをしっかりしたい」と緊張した様子だった。石黒悦子園長は「容疑者が特定されたので、皆で子どもたちに楽しく過ごしてもらおうと開園を決めた。園庭の水遊びは取りやめ、園舎内で過ごしたい」と話した。
     和歌山市内の市立小中学校と多くの幼稚園は夏休み中で、9月1日に始業式を迎える。このため、県警和歌山西署は容疑者が逃走を続けた場合、1、2日に管内の15小学校に署員を2人程度配置することを決めた。
     現場近くの学校では部活動の取りやめも。西に約1.5キロの市立西浜中学校は生徒の安全を確保するため、30、31日の校内部活動を中止した。市立少年センターは30日早朝から、青色防犯パトロールカー1台を巡回させて警戒を強めている。市教委学校教育課の神崎信彦課長は「早く事件が解決し、安全な状況で新学期を迎えたい」としている。
     一方、現場では30日朝から県警が鑑識捜査を再開し、逃走車両の見つかったJR和歌山駅では聞き込み捜査も続けている。現場近くに住むバス運転手の男性(52)は「早く犯人が捕まって、事件の全容が明らかになってほしい」と話した。
     また、腹部などを撃たれて死亡した石山純副さん(45)の和歌山市内の自宅には30日午前、遺体が運ばれ、妻らが迎えた。【倉沢仁志、日向梓、高橋祐貴、稲生陽】
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