待機児童対策で4000人の保育定員を拡充へ 都議会に補正予算案提出の方針

産経ニュース
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 東京都内で保育所に入れない待機児童問題の緊急対策として、都が今年度中に保育定員を約4千人分拡大する方向で検討に入ったことが6日、分かった。28日に開会する都議会定例会に数十億~100億円規模の補正予算案を提出する方針だ。小池百合子都知事は就任後初となる都議会で課題解決に向けた意気込みを語り、「都民ファースト」の姿勢を強く示す。
 都は平成26年度から4年間で認可保育所のほか、都独自の認証保育、小規模保育など比較的基準の緩い認可外施設も含めた「多様な保育サービス」で約4万人の保育定員を増やす取り組みを実施している。
 今年4月までに定員は約2万7千人分増えたが、待機児童は前年より652人増の8466人となり、過去最多だった26年の8672人に次ぐ多さとなった。
 専門家によると、保育施設整備の対策がニーズに追いついていないほか、都心部での高層マンション建設や再開発地区での人口増加、共働き家庭が増えていることなどが要因とみられる。
 7月の都知事選で待機児童解消を公約に掲げた小池知事は就任後、早急な対策を指示。担当部局で都内の各市区町村の保育ニーズを分析した結果、今年度中に少なくとも約4千人分の受け皿が必要と判断した。
一方で、保育士不足は深刻で、都では人材確保策にも力を入れる。都内の保育士の有効求人倍率は平均6倍で、昨年11月には66倍に達したこともある。
 このため、27年度には保育士給与をアップするため国からの補助(月額9千円)に都が2万1千円を上乗せして月平均3万円の引き上げを実施。都内だけでなく他県での保育士就職相談会の実施や、保育人材コーディネーターの活用も行っているが、「増え続ける児童数に追いつかない」(都幹部)のが実情だ。
 都では、小池都政への転換を契機に新たに「人材バンクシステム」の具現化を目指し、現在働いていない潜在保育士(全国で70万人)の掘り起こしに注力する。また、保育士のキャリアアップを後押しする事業者支援にも取り組む。
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