東京都内の人口、23区西部で子ども少なく、多摩は高齢化が進行


日本経済新聞様
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 総務省が26日発表した2015年の国勢調査(10月1日時点)確定値は、東京都内でも高齢化が一段と進む現状を印象付けた。区市別では23区西部の豊島、新宿、中野各区で15歳未満の割合が低かった。65歳以上の割合は多摩の青梅市やあきる野市で28%超と全国(26.6%)を上回った。地域の実情に合った子育て支援や高齢者福祉策が一層求められる。
 65歳以上の人口の割合が高かったのは、多摩地域の市が目立つが、区部でも北区や足立区、葛飾区で25%前後に達した。大型マンション開発で人口増加率が2ケタの高水準を保つ千代田、中央、港の都心3区は、16~18%台と都内では際だって低い。
 15歳未満の割合が高いのは、稲城市や武蔵村山市など多摩地域のベッドタウンが多い。区部では子育てしやすい環境づくりに力を入れ、比較的若い世代の人気が高い23区東部の江戸川区がトップ5に入った。区部では江東区が続くが、それでも全国(12.6%)とほぼ同じ程度だった。
 23区西部にある豊島区は8.3%にとどまった。有識者でつくる日本創成会議が23区で唯一の「消滅可能性都市」に挙げたのを受けて子育て支援策を拡充しているが、まだ道半ばだ。周辺の新宿、中野両区も8%台にとどまる。
 都内全体をみると、65歳以上の割合が22.7%と2.3ポイント上昇。15歳未満はほぼ横ばいだったため、生産年齢(15~64歳)は65.9%と全体の3分の2を下回った。
 都内の総人口は1351万5271人で2.7%増。増加率は沖縄県(2.9%)に抜かれて2位に後退した。前回10年や前々回05年の増加率は4%台だったのと比べ、伸びは鈍った。1世帯あたりの人数も1.99人に減り、統計で比較可能な1970年以降では初めて2人を割り込んだ。社会全体としても家庭でも働き手や担い手の不足が鮮明になってきている。
 一方、都内の外国人は37万8564人と都道府県別で最も多く、全国の2割強を占める。都内の人口に占める割合をみても、2.8%と全国で最も高い水準だ。人手不足が深刻になるなか、政府は様々な分野で外国人材の受け入れ拡大を検討しており、東京は今後その玄関口の役割を担う。
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