シニア世代、保育の現場に 子育て経験生かし応援


下野新聞様
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女性の活躍推進に合わせて保育環境の充実が求められる中、第二の人生の生きがいづくりにと、シニア世代が保育や託児の仕事に注目している。子育ての経験を生かせるとともに「現役世代を応援したい」との“親心”もあるようだ。
 「お魚がいたね」。3日夕、宇都宮市内の庭園。池を泳ぐコイを指さしながら、さくら市上阿久津、鈴木照代(すずきてるよ)さん(61)は、1歳の女の子に優しく語り掛けた。
 子育て支援事業などを行う一般社団法人「プチママン・アンジェ」の託児スタッフになって1年。
 35年勤めた病院事務を退職後、子どもと触れ合う仕事がしたいと思うようになった。数年だが幼稚園教諭の経験もある。「時間にゆとりができた今なら、保育を必要としている人たちを手助けできるんじゃないかと」
 同法人の託児スタッフは現在、34人中5人が60歳以上。
 一方、若いころに取得した保育士免許を生かして、保育の現場に飛び込む人も。高根沢町の女性(65)は9月に事務職を退職後、今月から地元保育園でパート従業員として働き始めた。
 「遊びに行くわけじゃないから、きちんと勉強したい」。全く弾けなかったピアノは、教室に通って「朝のうた」など4曲を習得。体力づくりにも汗を流す。「まだ65歳。少しでも社会の力になりたい」
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