子供は1日何時間スクリーンを見てもいいの? 推奨時間が詳しく設定される


GIZMODO様
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テレビは1日1時間! なんて言われてましたが…?
子供のころ、テレビの見すぎゲームのやりすぎを親にとがめられた思い出は誰にでもあるのではないかと思います。でも、実際のところ何時間ならいいのでしょうか?
アメリカ小児科学会AAP)はこれまで何年も、テレビ、タブレット、ラップトップ、携帯電話といったメディアの種類に関わらず、「子供がスクリーンを見る時間は1日2時間以内にすべき」としており、そこには年齢による差もなければ見ていいコンテンツなどの指定もありませんでした。以前、このことに対する疑問が提示されたこともあります。
ところが、先日科学ジャーナルのPediatricsに発表された論文によると、AAPはそういったなんでもかんでもひと括りにして制限する大ざっぱな考え方から、それぞれの子供によって異なるアプローチが必要という考え方に大きく改めました。
そのため、AAPはさまざまなメディアをカテゴリーによって分けました。また、この分類により複雑になった推奨時間をわかりやすくし、家庭で子供ごとにキチンとしたプランを立てやすくするため、AAPはインタラクティブなオンラインツール、「Family Media Use Plan」を公開しました。
正直なところ、デジタルメディアなしの生活が考えにくくなった今、このガイドラインは登場が遅すぎたほどです。今の親御さんならご存じの通り、全てのメディアコンテンツが同じなわけではありません。それをふまえ、AAPは娯楽学習プログラムを2つに分けました。つまり、宿題の調べ物のためにウィキペディアで検索したり、カーンアカデミーなどのオンライン教育ツールに子供が取り組みたい場合、親はもう少し寛大になっていいということです。
反対に娯楽関係のメディア、例えばソーシャルメディアやビデオゲーム、テレビ番組、ストリーミングサービスなどは制限すべきだとしています。学校に通う児童やティーンエイジャーにとって重要なのは、メディアの使用と、より健康的な活動のバランスなのだそうです。つまり、発育に欠かせない要素である肉体運動五感を働かせる体験、そして他者との直接的な交流です。
より幼い子供に関しては、18カ月以内の乳児は、おじいちゃんやおばあちゃんと話すためのSkypeやFaceTimeなどを除いて、基本全てのスクリーンを避けるべきだとしています。18カ月から24カ月になればデジタルメディアに触れてもいいとしていますが、そのコンテンツは「高品質のプログラム」であるべきなのだそうです(何をもって高品質とするのかは定義されていませんでした。要はSD画質とか8mmフィルムの映画を見るなってことですかね?)。同時に、親は常に子供と一緒に見ながら、説明して理解を助けてあげるべきだとしています。
2才から5才も同様に高品質のプログラムのみ視聴し、利用は1日1時間に制限して、親には子供と一緒に見ることを推奨しています。6才以上に対しては、特に娯楽系のメディアに一貫した制限を課し、視聴時間が適切な睡眠時間、運動、または他の健全な活動の妨げにならないよう注意する必要があります。
最後にAAPは、家族全員に対して夕食中や運転中に「メディアフリー」の時間を設け、家庭内に「メディアフリーゾーン」の設定を推奨しています。例としてはベッドルームなどですが…まず無理な気がしますね。
こういったガイドラインは素晴らしいことだし間違ってはいませんが、実践するとなると全く別の問題です。どうも、日常生活の現実から乖離しているように見えるのです。
当然親としては、子供をコンピューターの画面にへばりつかせず健康的に育てたいもの。しかし、料理をしたい時やトイレに行きたい時など、一時的に子供から目を離さねばならないシチュエーションに、これらのデバイスは天の恵みなのです。一瞬の平穏があるだけでも忍耐力が回復し、子供に呼ばれた時に本当の笑顔でかけつけることができます。
つまり視聴時間を決める際には、親の精神的な健康子供のニーズの間でバランスを取らなければいけないことを、AAPは認識する必要があるのです。
それに、子供と一緒に30回目の「ミニオンズ」を見るのだって楽しいものですからね。
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