子どもの貧困対策「票にならないので政治家が関心を持たない」支援団体が指摘


弁護士ドットコムNEWS様
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「子どもの貧困」について、教育や食事を支援することから解決しようと試みているグループの代表たちが11月21日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。全国子どもの貧困・教育支援団体協議会代表幹事の青砥恭さんは「日本の子どもの貧困対策は欧米にくらべて非常に遅れている」と指摘した。
●「子どもの貧困」問題はなぜ大切か
この日の会見では、政府が11月8日に発表した「日本の未来を担うみなさんへ」と題する安倍晋三首相のメッセージに対する評価についての質問があった。メッセージには、次のように書かれている。
「あなたは決してひとりではありません。こども食堂でともにテーブルを囲んでくれるおじさん、おばさん。学校で分からなかった勉強を助けてくれるお兄さん、お姉さん。あなたが助けを求めて一歩ふみだせば、そばで支え、その手を導いてくれる人が必ずいます」
経済的な理由で食事を満足に取れない子どもたちに食事を提供する「子ども食堂」を全国に先駆けてつくったNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長の栗林千絵子さんはこの日の会見で、「地域の人たちに『子どもの貧困』を伝えても、見えないからわからない。見えない問題を見えるようにしたのは大きな一歩」と一定の評価を示した。「市民と行政が一緒に取り組んでいく必要がある」と付け加えた。
一方、青砥さんは「安倍首相は『子どもの貧困』に関心がない。票にならないからだ。日本の小選挙区制のもとでは、きわめた現実的で直面した課題をやっていくことが中心になっていく」「子どもの貧困問題はなぜ大切か。日本社会の30〜40年後が決定するからだ」と指摘した。
そのうえで、青砥さんは「現実の世界しか見えない政治家には、子どもが30〜40年後どのような生活を送るかということが見えてこない。2020年のオリンピックは予想できても、2060年には人口が8000万人になるかもしれないということは見えていない。私たちはそこを問題にしている」と話していた。
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