「潜在保育士を発掘」 明石市の秘策とは


MBSNEWS様
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 待機児童を解消するため各地で保育所の新設が相次いでいますが、今度は保育士の数が足りなくなっています。そこで兵庫県明石市は保育士を獲得するある特典を用意しました。効果てきめんだそうです。

 今年6月、石川県金沢市から明石市に引っ越してきた田中佑美さん(28)。金沢では保育士として働いていましたが、娘が生まれてからは預け先が見つからないことから、仕事に復帰できない状態が続いていました。
 「子どもと遊ぶのが楽しいですし、もう一回仕事をするなら慣れている仕事の方がいい」(田中佑美さん)
 そんなとき、明石市の「ある特典」を見つけたことから、来年春に保育士として復帰することが決まったといいます。その特典とは…
 「市役所に行った時に、『保育士の方だったら優先になるかも』と聞いて…」(田中佑美さん)
 明石市が用意した特典は「保育士の子どもは優先的に保育所に入所できる」というもの。534人の待機児童がいる明石市では、受け入れ定員を増やすため保育士があと190人必要なのです。
 そこで目を付けたのが、資格はあるのに仕事に復帰できない潜在保育士たち。明石市で復帰すれば、子どもを保育園に入れてあげる、との特典をつけることで子どもを預け、仕事に復帰することができます。保育士は1人で大勢の子どもを見ることができますから、市全体の待機児童解消につながるというわけです。
 「保育士1名に対して0歳児だと3名受け入れることができます。1歳児2歳児なら保育士1名につき6名。3歳児だと20名受け入れられる。待機児童解消には大変役に立つ施策だと思う」(明光保育園(明石市) 川本まり子園長)
 他にも最大30万円の一時金が出たり、市外から引っ越してきた場合は家賃補助も出るなど特典の大盤振る舞い。すでに10人の潜在保育士が、この制度を使い明石で復帰することが決まったといいます。
 「来年の4月から(明石での復帰を)考えています。神戸市に住んでいても明石市で保育士になれば特典がいただけると聞いて、明石で頑張ろうと思いました」(神戸市に住む「潜在保育士」)
 保育士争奪戦でリードするためアクセルをぐっと踏み込んだ明石市。これを機に自治体間の特典競争が始まることになるのでしょうか。

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