子ども食堂広がる善意 鹿児島県内で次々開設 絵本読み聞かせや学習支援も [鹿児島県]


西日本新聞様
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 子どもたちに無料や格安で食事を提供する「子ども食堂」が、鹿児島県内で次々に開設されている。親子で食事を取ったり、みんなで勉強をしたり、食堂の狙いや取り組みはさまざま。識者は「子どもたちの事情も地域性も違う。多様な受け皿があってこそ、子どもたちも足を運べる」と活動の広がりに期待している。
 子ども食堂は、経済的な事情などで満足な食事ができない子どもや、共働きやひとり親家庭のため、1人で食事をする子どもに料理を提供する民間主導の取り組み。同県では飲食店店主やボランティア団体が寄付で募った食材を調理し、振る舞う形が多い。既に鹿児島市や霧島市、鹿屋市などで開設されている。
 6月にオープンした鹿児島市の「かごしま森の子ども食堂」は、県内の草分け的な存在だ。予約不要で子どもと保護者が一緒に参加でき、月2回の開催時は毎回80人程度が食卓を囲む。8月以降は月1回、子どもたちに宿題を教えたり、絵本の読み聞かせをしたり、学習支援も始めている。
 11月19日に開設する薩摩川内市の「おばちゃんち」は、子ども限定で受け入れる。調理や食器の片付けに加え、将来的には子どもたちと屋外での体験学習に取り組む構想を描いており、代表者の皆吉縁さん(56)は「子ども同士の方が、コミュニティーがつくりやすい」と考えるからだ。
 ほかにも食育をテーマにしたり、学校給食がない夏休み期間に開催したり、子ども食堂のスタイルはいろいろある。かごしま森の子ども食堂の運営に携わる鹿児島大の斎藤美保子准教授は「夜間に繁華街で働く母親向けの託児機能がある食堂があってもいい。理念を持ち、それぞれのコミュニティーで活動が根付いていけばいい」と話している。
=2016/11/02付 西日本新聞朝刊=
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