朝市保育園 「認可」へ 仙台市、移行認める 移転で基準満たす /宮城


毎日新聞様
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仙台市が独自に運営費を補助する「せんだい保育室」の制度廃止に伴い、存続が危ぶまれていた認可外保育施設「朝市センター保育園」(同市青葉区)が、認可保育所に移行して来年4月に開園できる見通しとなった。同じビルの別フロアに移ることで、保育に必要な面積や避難経路などの基準を満たせると市が判断し、移行を認めた。同園は11月から入園募集を始める予定だが、改修・移転費用が不足しているため、スタッフらは資金集めに奔走している。
     同園は1987年、JR仙台駅西口近くの「仙台朝市」内のビルに開園。市中心部で働く女性から、朝市の商店主と触れ合うユニークな保育方針や利便性が支持され、現在0~6歳の乳幼児約60人を預かる。スタッフは現在15人。2003年からは、国の認可保育所の基準を満たさなくても仙台市が運営費の約半分を補助する「せんだい保育室」として運営してきた。
     しかし、国が小規模保育などに重点を置く政策を導入したことから、市はせんだい保育室を17年度末に廃止することを決定。同園は認可保育所への移行を目指したが、園から70メートル以内にパチンコ店があることが設置基準に触れるとして、市が難色を示していた。
     同園は「パチンコ店は開園後にできた。保育への悪影響もない」などと主張し、14年に園の存続を願う2万人超の署名を集めて奥山恵美子市長に提出。市は「個別に判断する」と基準を変更し、同じ場所での運営を認めた。さらに、市は今年7月の「認可保育所選定委員会」で、同園の認可保育所移行を承認した。
     ただ、認可保育所として開園するためには、より安全な避難経路や広い面積を確保するため、現在のビル5階から3階に移る必要がある。改修・移転費用は約7000万円かかる見込みで、金融機関からの借り入れや国と市の補助金を充てても足りないため、500万円を目標に募金を始めた。
     安達喜美子園長は「ここまでいくつものハードルをクリアしてきたが、最後にもう一踏ん張りが必要。都心部で子どもの保育を続けるため、ご協力をお願いしたい」と話す。問い合わせは同園(022・221・9350)。【鈴木一也】

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