小規模保育の年齢制限緩和、歓迎・慎重双方の声 都内の関係者


日本経済新聞様
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 政府が12日の国家戦略特区諮問会議で小規模保育所(ミニ保育所)の年齢制限緩和方針を決め、東京都内の保育事業者などからは歓迎の声があがった。一方で保護者代表や自治体の一部から慎重な意見も聞かれた。待機児童対策が進む期待感と新たに生じる課題への懸念とが交錯している。
 ミニ保育所は原則2歳児までが入所できるが、制限緩和後は5歳児まで預かれる。従来3歳で通常の保育所に移る必要があったが、移る先の確保の難しさから「3歳の壁」と呼ばれていた。小池百合子都知事はこの年齢制限見直しを特区諮問会議で要望していた。
 都が11月に開いた待機児童対策会議で年齢制限緩和を主張した豊島区の高野之夫区長は「ゼロから5歳児までの一貫保育が可能になれば、事業者の参入意欲の拡大にもつながる」と評価した。
 NPO法人「全国小規模保育協議会」の駒崎弘樹理事長も「3歳の壁の解決策として訴えてきたので有り難い。保育園難民を防ぐことにつながる」と強調した。
 一方、保育園を考える親の会(東京・豊島)の普光院亜紀代表は「幼児受け入れで乳児の枠が減るとすれば、待機児童対策として矛盾する」と懸念を示した。
 年齢制限の緩和には慎重な自治体も多い。品川区の担当者は「行動範囲が広がる3歳児にとって小規模保育所は適切ではない」と指摘。3歳以降に移れる「連携園」の拡充に力を入れる方針だ。他の区からも「ゼロから2歳児の定員が減る」といった声が出ている。
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