幼稚園を先行/学校種別に整備指針改訂/文科省


建設通信新聞様
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【有識者会議に2部会 ZEB化も検討】 文部科学省は、学校施設のあり方を調査研究する有識者会議の下に2つの部会を設置する方針を固めた。幼稚園教育要領、学習指導要領の改訂を踏まえ、学校種別ごとの施設整備指針を見直すため、改訂後の要領適用が2018年度と最も早い幼稚園の指針改訂に向け「幼稚園施設部会」を設ける。また、学校施設のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化実現を目指し、施設に求められる機能や性能などを整理する「環境を配慮した学校づくり検討部会(仮称)」も設置する。幼稚園部会は18年1月をめどに幼稚園施設整備指針の改定案を作成する。検討部会は2年程度議論を重ね、検討成果を報告書としてまとめるとみられる。 両部会の設置は17年度予算案で認められた。学習指導要領などの改訂は、中央教育審議会(文科相の諮問機関)が16年12月に要領などの改善と必要な方策を答申。答申を踏まえ文科省は、幼稚園、小学校、中学校の要領を3月末、高等学校の要領を18年3月末に改訂する予定。改訂要領の全面適用は、幼稚園が18年度から、小学校が20年度から、中学校が21年度から。高校は22年度から順次、年次進行で適用を始める。こうした改訂要領の適用スケジュールに対応して、学校施設整備指針を改訂していくことになる。 17年度は幼稚園施設整備指針を改訂するため、部会で検討を進める。具体的な改訂の方向などは今後決める。また、先進的な取り組みを集めた事例集の作成も検討するとみられる。幼稚園以外の指針改訂に当たっても部会を設ける方向。小学校と中学校の指針見直し検討時期は18年度、高校が19年度、特別支援学校は20年度になる模様だ。 一方、学校施設のZEB化は、エネルギー基本計画の中で「建築物は、20年までに新築公共建築物などで、30年までに新築建築物の平均でZEBの実現を目指す」との政策目標が掲げられていることが背景にある。この政策目標の実現に向け、経済産業省がまとめた「ZEBロードマップ」でも、「学校などの新築公共建築物で率先的に取り組み」と明記され、3段階あるZEBの定義のうち、省エネ基準よりも50%以上の省エネを達成する「ZEB Ready」は、学校やホテルで現在の高性能な建材や設備を適切に選択することで実現可能と試算されている。 こうした国の政策目標を背景に文科省は、部会を設けて学校施設のZEB化実現に向けた検討に着手する。 環境配慮の学校施設として進めてきたスーパーエコスクール実証事業などの成果を踏まえて、これまでの環境対策の取り組みを検証する。その上で、施設に必要な機能や性能などを整理し、ZEB化に向けた道筋などを検討していくと想定される。[ 2017-02-06  2面]

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