2017/02/02

男性保育士 おむつ替え、是か非か 千葉市長の提起発端


毎日新聞様
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男性保育士が働きやすい環境を作るとして千葉市が4月から10年計画で実施する「市立保育所男性保育士活躍推進プラン」を巡り、激しい議論が起きている。熊谷俊人市長(38)がプラン作成の背景に「娘の着替えを男性保育士にさせないでという親の声があった」とツイッターで発信したことがきっかけだ。市長の発信に対するリツイート(転載)や反応は10日間で2万件を超えた。【田ノ上達也】
自身も5歳の娘がいる熊谷市長が昨年4月、男性保育士8人と意見交換した際、「娘の着替えをするのを嫌がる親に配慮し、担当から外されるケースがある」「男性に配慮したトイレがない」と聞かされ、「男女共同参画の中であってはいけないことが横行している」とプラン作成を決めた。市幼保運営課によると、保護者とのトラブルを避けるため所長が男性保育士を女児の着替えやシャワー担当から外していたケースが数施設であった。
 プランでは、男性保育士も女性と同様、子供の性別にかかわらず着替えやおむつ交換をする▽男性用トイレや更衣室を設置▽男性が孤立しないよう希望があれば2人以上の配属に努める--との方針を明記。現在は0人の男性所長を10年間で5人にし、1人だけの男性総括主任保育士も10人に増やすとの数値目標を定めた。
 厚生労働省の2015年賃金構造基本統計調査によると、サンプル調査の対象となった労働者10人以上の保育所で、男性保育士は5.3%にすぎない。千葉市立保育所でも男性は50人で、7.1%にとどまる(昨年4月現在)。59の市立保育所(認定こども園含む)のうち、男性がいるのは25施設だけだ。プラン作成の背景には、こうした事情もある。
 熊谷市長がプランを発表した翌日の20日、「女児の保護者の『うちの子を着替えさせないで』との要望が通ってきた等の課題が背景にあります」とツイートした。これに対し、ネット上では「男性保育士がいる保育園で育ててもらったが、議論のような考えは持ったことがない」などと理解を示す意見がある一方で、「女の子自身の羞恥心の視点も忘れないでほしい」「性差を考慮するのは男女差別ではない」などと反発する意見も出た。
 市役所にも30日までに電話や手紙で賛成意見が18件、反対意見が16件寄せられた。熊谷市長も反論などを60回以上ツイートし、考えをまとめてフェイスブックに掲載。これに対する賛否の意見がネット上で増え続けている。
議論に意義
男女平等実現へ
熊谷市長のツイッターなどに寄せられた主な意見
 元保育士の小崎恭弘・大阪教育大准教授(保育学)の話 保育は子どもと保護者に対する福祉サービスの一つ。男性保育士によるおむつ交換などを嫌がる声を無視するのはサービスとしては質が低い。一方で、千葉市のプランは不足する保育士の増加につながる先駆的な取り組みだ。男性保育士はマイノリティーで「変わった人」だと誤解を受けることもあるが、数が増えればそうした声も減ると思う。男性保育士の問題が議論になったこと自体、意義がある。
 「男性学」を研究する田中俊之・武蔵大助教の話 男女共同参画は女性の活躍の視点で語られてきたが、千葉市のプランは男性が少ない職場でどう男性を活躍させるかを考えている。医師なら性別が問題にならないのに、保育士だと問題になるのは、保育士の専門性が社会的に評価されていない証拠だ。おむつの交換は2人でするなど、男女平等を実現するための保護者の不安解消は可能だろう。
<反対>
・幼女は性的な被害者になることもある。異性の保育士を拒否する気持ちは責められない
・女の子自身の羞恥心の視点も忘れないでほしい
・男女差別と性的区別を混同している。性的プライバシーに関する世話は可能な限り同性がすべきだ
<賛成>
・いつお漏らしするか分からない幼児の世話で着替えや排せつに対応できないと見習いポジションから脱却できず、男性保育士にとって不利益だ
・羞恥心が芽生える年齢の子は自分で排せつも着替えもできる
・子供を男性保育士がいる保育園で育ててもらったが、今議論になっているような考えを持ったことはない

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