年末商戦、保育で支援 横浜高島屋、働き方改革で「事業所内」を試行 神奈川

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産経ニュース様
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 横浜高島屋(横浜市西区)では、1年間で最も忙しい11~12月の日曜日に限定して、試験的に臨時保育を開始した。子育て中で、横浜店に勤める従業員を対象に、保育所が休みとなる日曜日に社内の臨時保育施設を利用できる仕組みだ。同社の「働き方改革」の一環だが、サービス業の場合、社員が土日祝日に出勤する事例がほとんどであることから、勤務先の近接地に保育所(事業所内保育所)を設置することで、どのような効果や利点があるのか注目が集まる。
 初日となった12日は、16人の従業員が利用し、預かった子供は1歳3カ月~7歳1カ月までの計18人に上った。保育士の資格を有する人を含めた8人の保育従事者が、午前9時から午後7時まで子供たちへの対応をした。
 ◆「近くて安心」
 従業員からは、これまで日曜勤務の際に「主人と交代でどちらかが日曜に休むようにする」というケースや「休日保育に預けることもあったが、抽選なのではずれることもあった」というケースがあったという声が、続々と上がった。
 また今回、日曜保育が実施されたことで「交通機関が混雑しないので、日曜日だと連れてくるのが自宅から離れていても苦にならない」「職場に近くて安心」といった意見も寄せられたという。
 臨時保育の開設日は、11月12日から12月24日までの各日曜日で、いずれも午前9時から午後7時。場所は、横浜店の会議室を使用している。保育の対象と人数は、生後57日以上、小学校3年生以下の従業員の子供約20人で、保育は専門の保育業者に委託している。
 ◆そごうは時短
 「コスト面など課題もあるが、まずは試行の結果をしっかり見たい」(青木和宏店長)としており、今後のあり方を検討していく考えだ。
 そごう横浜店(同)でも「働き方改革」を進めており、育児休業明けから子供が小学校を卒業するまで(3月31日まで)、1日の所定労働時間を30分単位で、2時間半以内で短縮できる勤務形態をすでに導入している。また、同店では横浜の「支部労働組合」の主催で、育児勤務者限定のランチ座談会を年4回ほど定期的に開催し、育児の悩みなどの共有ができるようにしているという。
 保育園不足による待機児童問題が全面的に解消されない中で、共稼ぎ世帯の働き方やライフスタイルの充実推進が行政や企業に求められており、今後もサービス業の“最前線”で従業員のニーズを聞きながら試行錯誤が続くことになりそうだ。
 事業所内保育所 企業内や事業所の近辺に用意された育児中の従業員向けの託児施設。企業が専用の保育園を用意することで、産後の母親も比較的早く職場に復帰でき、子供が小さなうちから、育児と仕事の両立を図ることができるとして、注目されている。(那須慎一)

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