潜在保育士の4割が県内就業意向 県が初調査、家庭との両立重視

幼稚園の散歩のイラスト
山陽新聞様
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 資格を持ちながら保育現場で働いていない「潜在保育士」の約4割が、岡山県内で就業する意向を持っていることが、県による初の実態調査で分かった。潜在保育士は結婚や妊娠を機に離職したケースが多く、復帰を考える人の約7割が家事や育児との両立を重視していることも明らかになった。

 調査は昨年10、11月、県に保育士登録している30~50代の1万5113人に調査票を郵送し、4182人が答えた(回答率36・5%)。内訳は現役52・6%、潜在46・9%。

 潜在保育士への質問では、離職した理由(複数回答)は「結婚」が24・2%で最も多く、「妊娠・出産」23・7%、「仕事量」23・2%―と続いた。県内で保育士として就労する意向については「考えている」が37・5%、「考えていない」が46・4%。残り16・1%は無回答だった。

 就労を考えている人が重視する点(複数回答)は「育児や介護などとの両立」が73・4%で最多。「勤務体制」55・3%や「賃金などの処遇」48・7%も多かった。

 希望する勤務形態に関しては「非常勤・嘱託・パート」が65・6%を占め、フルタイムで働く「正規職員」の20・5%を大きく上回った。家族との時間を確保するため、比較的短い勤務を望む傾向が浮かび上がった。

 一方、現役保育士は60・7%が中途退職を経験。退職理由(複数回答)は「妊娠・出産」が34・3%でトップ。「結婚」32・1%、「仕事量」「人間関係」の各18・2%が続いた。復職のきっかけ(同)は「経済的な理由」44・6%、「育児が一段落」35・6%―などの順。職場への改善要望(同)は「賃金面」60・4%、「職員の増員」37・8%、「仕事量の軽減」32・8%などが目立った。

 県によると、県内の認可保育園や認定こども園に希望しても入れない待機児童は、昨年4月1日現在で1048人と過去最多。保育士不足は深刻化しており、県子ども未来課は「潜在保育士が少しでも多く就労できるよう、アンケート結果を基に対応を検討する」としている。

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