県調査、潜在保育士2531人 20~30代の8割復職希望 課題は労働環境整備 /広島

待機児童のイラスト
毎日新聞様
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 保育施設の待機児童解消をはかろうと、県が保育士の有資格者を対象に実施したアンケートで、資格を持ちながら保育職に就いていない潜在保育士が回答者の約4割に当たる2531人に上ったことが分かった。このうち、20~30代の保育士経験者の約8割は復職を希望していることも判明。一方で、給与や労働環境の改善を再就職の条件に挙げる人も多く、働きやすい環境整備が保育士の確保に欠かせないことが改めて浮き彫りになった。【東久保逸夫】

 調査は今年3月、県内の保育士資格登録者3万1732人に送付などして実施し、6752人(21・2%)から回答があった。退職理由や就業希望の有無、再就職の条件、自治体への情報提供など14項目を質問した。

 回答者の内訳は、保育士として就業中が4221人(62・5%)、保育士としては働いていない潜在保育士が2531人(37・5%)。潜在保育士のうち、保育職以外に就業中が1154人、未就業者が1377人だった。離職後のブランクは15年未満に集中し、2~5年が最も多かった。

 潜在保育士に退職理由を尋ねたところ(複数回答)、保育士以外への就業者で最も多かった回答が「労働条件の不満」だったのに対し、未就業者は「家庭の事情(介護など)」が最多だった。復職を希望する未就業者は、20~30代では約8割に上った一方、年齢が上がるにつれ割合が低下する傾向があった。

 また、再就職の条件(同)については、保育士以外への就業、未就業にかかわらず「勤務日数・時間の合致」が最多。さらに、20~30代は「給与・賞与等の改善」や「労働環境のよい職場」を挙げる傾向が顕著にみられたという。

 潜在保育士の約6割が就業の意向を自治体から確認できるよう個人情報の提供に同意したほか、約3割は人材バンクの登録も希望した。県は、待機児童の解消に必要な保育士数を1000人程度と見込んでおり、勤務条件の一致などが今後の課題とみている。

 湯崎英彦知事は「不足人数を超える規模の人が就業意欲をみせており、非常に心強い。課題を精査し、今後の確保策の参考にしたい」と話した。

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