学童保育「安全守られない」 指導員の基準緩和反対 全国連絡協

学童保育のイラスト
東京新聞様
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 共働き家庭などの小学生が放課後を過ごす学童保育(放課後児童クラブ)の指導員の配置基準や資格要件をなくそうとする動きが進んでいる。全国学童保育連絡協議会は六日、「子どもの安全が守られない」として、超党派の国会議員連盟に反対意見を伝えた。十八万人の反対署名を集めており、国会に請願する予定。 (小林由比)

 学童保育は二〇一五年度に始まった子育て支援制度に基づき、国の基準に沿って市区町村が運営している。指導員は保育士などの資格者で、認定研修を受けた「放課後児童支援員」。原則、一カ所に二人以上配置するよう義務付けられている。しかし、人材確保が難しいとの声を受け、政府は昨年末、基準緩和を検討し、一八年度中に結論を出すと閣議決定。内閣府の地方分権の有識者会議で、廃止も含めた議論が進む。

 この日開かれた「公的責任における放課後児童クラブ(学童保育)の抜本的拡充を目指す議員連盟」(会長・馳浩元文部科学相)の会合で、協議会の木田保男会長が「指導員には重大な事故から子どもを守る仕事もある。全国どの地域でも有資格者の指導員が必要だ」と訴えた。また「基準の検討は、内閣府ではなく、児童福祉専門の厚生労働省でやってほしい」と求めた。

 議連のメンバーからは「人材が集まらない理由は基準だけなのか。処遇改善などに解決策があるのではないか」との意見も出た。

<学童保育(放課後児童クラブ)> 厚生労働省の調査では、2017年5月時点で全国に約2万4500カ所あり、登録児童は約117万人。利用できない待機児童も約1万7000人いる。同省は今後もニーズは高まるとして今月、23年度末までにさらに約30万人分を整備すると発表した。待機児童が多い都心部などでは、文部科学省が親の就労の有無などにかかわらず全児童を対象とする「放課後子ども教室」との一体化も進む。

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