「来年こそ待機児童ゼロ」へ 一定の成果も目標達成ならず

子供たちを見守る保育士のイラスト
タウンニュース様
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神奈川県は6月8日、保育園利用などに関する2018年度の待機児童数を発表した。県全体では2年連続の増加となった一方、15年・16年度に県内ワーストの待機児童数だった茅ヶ崎市は、前年より4人減り14人に。重点課題として“ゼロ”に向けて取り組む市の動向を探った。

 県内33の市町村別でみると、前年より増加したのが9、茅ヶ崎市を含め減少は13、増減がなかったのが11。県内で待機児童がいない市町村は、茅ヶ崎と人口規模や子どもの数が近い大和市をはじめ10ある。待機児童の解消を目玉施策に掲げる茅ヶ崎市は、施設整備などによって今年4月のゼロを目指したものの達成ならず。「残念」と市保育課・西山和志課長補佐(44)は語る一方で、「少しずつ成果も出ている」と手応えも口にする。

保育コンシェルジュ配置

 核家族化や共働きで増加する保育ニーズ。市では独自施策として、1年半前から『保育コンシェルジュ』を配置する。

 ひと口に保育希望と言っても、家庭により抱える問題は異なる。市保育課窓口を訪れた相談者に対し、それぞれの状況をヒアリングして最善策を提案。現在職員は2人で、相談件数は月間150件にのぼる。元保育士のコンシェルジュ・檜物(ひもの)加奈子さんは「申請方法や待機状況など内容はさまざま」と説明し、申請が通らなかった人に周辺でも通える別の園を紹介して、待機が解消した事例も。同じく斉藤秀子さんは、「相談者の頭の中を整理してあげることを心がけています」と柔和に微笑む。

保育士の家賃補助開始

 施設整備とともに、保育士確保にも力を注ぐ。昨夏には市が合同の保育士就職相談会を初開催し、6人を採用。今年も8月に実施する。さらに今年度から、保育士の家賃を最大月額8万2000円補助。「新卒者だけでなく、保育資格を持った人材を掘り起こしていきたい」(市保育課)

 「来年こそ待機児童ゼロに」-。再び掲げた目標達成へ、市では施設整備によって今年度中に350人の受け入れ枠を拡大する方針だ。加えて、実際の待機児童数とも言われる”保留児童数”が市内には195人いるだけに、西山課長補佐は「潜在的な需要も想定して対応していきたい」と先々を見据える。


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