屋外授業を短縮、中止… 猛暑で阪神間の学校園

室内で熱中症になっている人のイラスト
神戸新聞さま
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全国的に続く猛暑で、熱中症の発症が相次ぎ、兵庫県阪神間の学校園や保育所で対策が本格化している。子どもは特に、体温調節能力が十分でないため、熱中症になりやすいとされ、保育所や幼稚園では外遊びの時間を短縮。17日には愛知県豊田市で校外学習に参加した小学1年の男児(6)が熱中症で最も症状が重い熱射病で死亡しており、尼崎市の小学校は18日の校外学習を中止に。西宮市教育委員会も同日、注意を促す通知を公立幼稚園や小中学校に出した。(中島摩子、斉藤絵美)
 兵庫県には18日、高温注意情報が出て、阪神間も猛烈な暑さになった。宝塚市高司1のわかくさ保育所は17日に続いて、18日も午後の外遊びを取りやめた。園庭の室外温度計が、外遊びを認めない基準とする35度以上を記録したため。午前中は直射日光を遮るテントや遮光ネットの下で、プールや水遊びを楽しんだ。
 また、西宮市段上町8の段上幼稚園は縦約20メートル、横約2・5メートルの遮光ネット4枚を園庭に張り巡らせる。日陰になり涼しく感じるが、暑さが厳しくなった約1週間前からは、外遊びの時間を10分程度にとどめている。松本紀子園長は「子どもは体調が悪くなっても、自分から言い出しにくい。できるだけ子どもの体に触れて、体温を確認するようにしている」と話す。
 同市鳴尾町3の松風幼稚園も外で遊ぶ時間を短くする。「子どもの背の高さで園庭の温度を計ると、日陰でも40度を超えることがある。すぐにほっぺが真っ赤になったり、目が充血したりして難しい」と貴田貴美子園長。9月の運動会に向けた練習は、室内ホールで行っているという。
 一方、校外学習も慎重な判断が求められている。尼崎市南七松町1の七松小学校では18日、4年生の約70人が、学校から徒歩約20分の距離にあるトマト畑を見学する予定だったが、愛知県豊田市での小1男児の死亡を受け、中止した。その代わり、栽培農家の男性に学校に来てもらう「出前授業」とした。
 同小の教頭は「水分補給や塩分を取るあめも準備していたが取りやめた。校外学習の実施に一定の基準が設けられないと現場では判断が難しい」と話す。
 今週末からは多くの学校園が夏休みに入る。夏休み中に小学生を預かる伊丹市の学童保育「児童くらぶ」は、外遊びの時間もあり、同市担当者は「あまりにも暑いので対応を考えたい」とする。
■熱中症の予防や対処のポイント
【予防法】
・日中の外出をできるだけ控える
・外出時は日傘を使い、帽子を着用する
・室内でもエアコンなどで温度調節する
・通気性がよく、速乾性のある服を着る
・保冷剤や冷たいタオルで体を冷やす
・のどの渇きを感じなくても水分や塩分などをこまめに補給する
【症状】
・めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返りなど
・頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感
・重症になると、返事がおかしい、意識消失、けいれんなどが起こる
【熱中症になったら】
・エアコンが効いている室内など涼しい場所へ避難する
・衣服をゆるめ、首の周りや脇の下、足の付け根などを冷やす
・水分や塩分、経口補水液を補給する
・自分で水を飲めない、意識がない場合は、すぐに救急車を呼ぶ
(厚生労働省のまとめから抜粋)

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