「子どもに耳傾けて」=心のケア課題に-西日本豪雨1カ月

心にぽっかり空いた穴のイラスト(男性)
時事通信さま
------------------------------------------------------------------------------------------------

西日本豪雨による被害復旧に時間がかかると見込まれる中、被災地の子どもたちの心のケアが課題となる。専門家は「お母さんにまとわりつくといった行動が出てくる。そういうときにちゃんと話を聴いてあげてほしい」と助言する。
 今回の災害で、広島県内で子どもが心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した事例は報告されていない。ただ、同県の小児科医田中丈夫さん(70)によると、2014年8月に広島市で起きた土砂災害では、被災地域の女児がトイレに頻繁に行ったり、指をしゃぶったりするようになり、保護者から相談を受けたケースがあった。被災後間もない時期に就学前の子どもに起きやすい行動で、不安が原因のため、話を聴いたり、抱き締めたりすると安心する。
 14年の災害では、幼稚園で園児が、砂で作った山に水を掛けて崩す遊びをしていたケースも報告された。田中医師は、子どもが災害で傷ついた心を整理している過程に見られる行為のため、むやみに止めない方がよいと指摘。特に、気持ちを言葉にするのが難しい小さい子どもは遊びの中で気持ちを表すことがあり、十分に遊びの時間を確保することが大切という。
 災害から数カ月たつと、家庭や地域の環境の変化が子どもたちにストレスを与え、それに対して大人がどう対応するかが課題になってくる。田中医師は「家庭や小学校、幼稚園、保育園などで、子どもの行動の変化や不安そうな様子に早く気付いてあげることが大事だ」と話した。(2018/08/06-15:27)

------------------------------------------------------------------------------------------------