女性と企業、希望に応える 大垣駅前に看護師常駐の保育所

女性看護師の表情のイラスト「笑った顔」
中日新聞様
------------------------------------------------------------------------------------------------

大垣駅近くに今春、大垣市内初の看護師が常駐する保育所「タッチテラス保育所」(同市宮町)がオープンした。交通の利便性に加え、子どもが体調を崩しても保護者は勤務先を抜ける必要がなく、運営する「リリフル」(同市船町)の金森律子代表(43)は「働きたい女性と、女性に働いてもらいたい企業の両方の希望に応えられれば」と話す。

 保育所は白を基調としたカフェのような雰囲気で、リラックス効果のあるアロマが香る。保育の中で「タッチ(触覚)」を重視しており、手作りの木の玩具やフェルトの人形などの遊び道具を置き、床にも芝生マットや畳を敷く。

 生後二カ月~一歳児を受け入れ、定員は十二人。スタッフ九人のうち看護師は二人で、子どもが過ごす時間はどちらかが常駐する。開所は平日午前七時半~午後六時半。

 看護師が常駐することで、保育中に子どもが体調を崩した場合でも対応でき、保護者が勤務先を抜けて迎えに来る必要がない。保育アプリを導入しており、保護者が園との連絡をスマートフォンなど携帯端末でできるほか、園での子どもの様子や食事の状況、体温なども確認できる。

 金森代表は愛知県豊橋市で看護師として働いていた。同市や周辺には「園ナース」のいる保育園が多かったが、十年ほど前に夫の仕事の都合で大垣市へ移ると、看護師のいる園が全くなく、疑問を感じた。

 昨夏、国から助成金が支給される企業主導型保育所の制度を知り、社会貢献をしたいという気持ちと「保育園に看護師がいることを当たり前に」という思いで申請。助成が決まったため、昨年十二月に賛同者とともにリリフルを設立した。

 園でスタッフとして働きながら一歳の次男を預ける松原真理子さん(34)=同市楽田町=は「子どもには食物アレルギーがあるが、看護師がいると何かあっても対応してもらえるという安心感がある」と話す。

 市内企業十社ほどと提携を結んでおり、保育枠の優先確保や保育料割引をはじめ、ベビー用品の共同開発、販売などにもつながっている。金森代表は「企業活動が活発な西濃ならでは」と話す。

 金森代表は「大垣の企業には市外から勤めに来る人も多い。大垣駅前はバスの便も多く、園は電車とバスの乗り換えのタイミングで利用しやすい場所にある。企業にとっても、駅近くに提携保育所があることで県外にも積極的に求人を出すことができる。こういう保育園が増えて、働く人にも企業にも活躍してもらいたい」と願う。

------------------------------------------------------------------------------------------------