保育士ら18人“一斉退職”で世田谷の保育所が休園…一体なぜ?経営者を直撃

保育士の過労のイラスト(女性)
FNNPRIMEさま
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保育士ら「一斉退職」で休園
多くの地域で悩みの種となっている、待機児童問題。
解決への“切り札”として創設された「企業主導型保育所」で、保育士らの「一斉退職」が起こっていた。


保育士らが一斉退職したのは、「こどもの杜」が運営する東京・世田谷区内の2つの保育所だ。

児童育成協会によると、10月末に保育士や栄養士など合わせて18人が退職したという。

2つのうち、「上北沢駅前保育園」は、ことし4月の開園からわずか7か月で休園に追い込まれる事態となった。
一方、「下高井戸駅前保育園」では、新たに保育士を確保し、園児の受け入れを続けている。

子どもを預ける保護者は今回の報道に「本当にびっくりしたのと、何の引き継ぎもなかったみたいで、うちの子も『どこの誰ですか』みたいな感じから始まったので」と不安を滲ませていた。

“給与支払い”めぐり食い違う主張
では、なぜ保育士らが一斉退職してしまったのだろうか。
2つの保育所を経営する、こどもの杜の和田勝海代表は取材に対し、「給与が遅れているとか未払いとかは無いんですけど、将来そうなってしまうのではないかと不安があったようだ」と語った。



「将来への不安」が一斉退職の理由だと答えた経営者。
しかし、児童育成協会の調査に対し、退職した保育士らは「給与の未払いがある」と話しているという。


待機児童対策の切り札「企業主導型保育所」
この2つの施設は、待機児童対策で創設された「企業主導型保育所」だ。

企業主導型保育所は、企業が従業員向けに設けるケースが多い一方、認可保育園よりも保育士の配置基準などが緩いため、その質や安全管理への不安を懸念する声が挙がっていたという。


世田谷区や児童育成協会は、関係者から事情を聞き、転園を希望する場合は候補の保育園を案内するとしている。

18人もの「一斉退職」の背景にある“給与トラブル”が今後どうなるかにも注目したい。

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