障害ある子ども 放課後の居場所は?

特別支援学校のイラスト(私服)
ヨミドクターさま
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地域に専用デイサービス
 障害のある子どもが放課後や休日に利用できるのが、放課後等デイサービス(放課後デイ)です。

 生活能力を向上させたり、社会との交流の機会を提供したりするのが目的です。児童福祉法に基づく市区町村の事業で、NPO法人や社会福祉法人、企業などが運営しています。

  ■遊び、運動、音楽など多様な活動

 通うことが出来るのは、小学校、中学校、高校、特別支援学校などに通う子どもたちです。障害者に交付される手帳を持っていなくても、自治体が必要と判断すれば通うことが出来ます。

 利用するには、まず、市区町村に相談し、そこで紹介された相談支援事業所で、子どもにとって必要な支援や保護者の状況などを踏まえた利用計画案を作成してもらう必要があります。

 この計画案を市区町村に提出し、受給者証を交付してもらい、利用をスタートします。

 活動は、保育士や児童指導員らと行います。受けられるサービスは、事業所によって違います。

 例えば、職員と一緒に、買い物をしてお菓子作りをしたり、七夕飾りの工作、運動、楽器演奏、ダンスを楽しんだり、学習支援などを提供している事業所もあります。

 利用者の負担は、かかった費用(実費を除く)の1割です。ただし、保護者の所得によって上限があります。

  ■急増した事業所 利用前に見学を

 事業所数は、制度が始まった2012年度の2887施設から、16年度には3倍超の9306施設に急増しました。

 当初、子どもに対する職員の配置基準が緩かったこともあって、民間の事業者が積極的に参入したことが背景にあります。

 ただ、十分なノウハウもなく、テレビを見せるだけの施設もあり、質を疑問視される事例もあります。

 放課後デイを運営する事業所らでつくる団体「障害のある子どもの放課後保障全国連絡会」の田中祐子事務局長は、「実際に足を運び、活動をしているところを見学し、職員数が十分に足りているかを聞くなどして、子どもの状況に合う場所かどうかを事前にしっかり確認してほしい」と話しています。

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