保育士確保へ180万円補助 奨学金返済 福岡市が4月から

給料日・ボーナス日のイラスト
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全国的に保育士不足が広がる中、福岡市は4月から市内の民間保育所で働く正規雇用の保育士に対して奨学金返済額の最大半額を補助する制度を始める。補助額は最大180万円程度になる見込みで、全国屈指の好待遇となる。自治体間の「争奪戦」が激しさを増す中、市内への就職を促し、待機児童の解消につなげる狙いだ。

市によると、奨学金返済の支援制度は北九州市と名古屋市で導入済みだが、両市の1人当たりの最大補助額は名古屋市36万円、北九州市54万円で、福岡市は群を抜いて高い。

補助は返済期間の半分で実施する。補助上限額はそれぞれ、大卒が月1万5千円、短大・専門学校卒が月1万円。返済期間の長さの上限は設けない。既に就職して返済を始めた人でも、返済期間の半分以上が残る人は対象となる。市によると返済の平均期間は大卒者で約19年。返済期間20年の大卒保育士に月1万5千円を10年間給付すれば総額180万円になる。

市の待機児童は昨年4月時点で40人。希望先を絞った「隠れ待機児童」を含むと1471人に上る。

市は保育所整備や保育士の確保を急ぐが、昨年春に市内の保育士養成施設を卒業した有資格者のうち、市内の保育所に就職したのは約2割にとどまる。市外保育所への就職や保育士以外への就業が多かった。新規採用された市内保育所の保育士のうち、4割超が5年以内に退職したというデータもあり、就職と定着の両面で課題がある。

市は新年度一般会計当初予算案に関連費8328万円を計上。高島宗一郎市長は「(保育士確保は)非常に大きな課題で、全国でも飛び抜けたレベルの支援に取り組む」と強調した。

市は13日、総額8666億円(前年度比3・3%増)の新年度当初予算案を発表。6年連続で過去最高を更新した。

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