3保育園民営化、住民が反対署名提出 大津

話し合う人たちのイラスト(女性1)
中日新聞さま
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大津市が逢坂(音羽台)、天神山(本堅田)、伊香立(伊香立下龍華町)の三公立保育園の民営化を検討していることに反対する保護者らが五日、民営化しないよう求める一万三千五百六十人分の署名を、市に提出した。

市内の保育施設百六園のうち、公立の園は十四で、残りは私立の保育園やこども園。市は昨年十一~十二月、逢坂、天神山の二園の民営化について、保護者向け説明会を初めて開いたが、一部の保護者が反対していた。

市は、近隣に公立の園がある逢坂、天神山の二園は、二〇二一年四月に指定管理者制度を使って公設民営化し、二四年度には建物の売却などで完全民営化する方針。また、伊香立は地域との協議で、民間こども園への移行が決まっている。

市側は、待機児童が増加する中、公立保育園の削減で運営費を減らし、浮いた財源で保育士を増やしたい考え。また、十月の幼児教育無償化後は、公立は民間よりも市の負担額が多いため、公立の園を減らしたいとの思いもある。

一方、保育園保護者会連合会や市の職員組合など七団体でつくる「大津の保育環境の改善を求める署名実行委員会」(御陵町)は、民営化による質の低下や、障害児の受け入れ中止を懸念。民営化の撤回や保育士の処遇改善など五項目を求め、昨年九月から署名を集めてきた。永芳明会長は「財政が厳しいという理由だけで、公立の園を民営化しないでほしい」と訴える。

市の担当者は取材に「民間の保育の質が低いとは言えない。障害児の保育も、補助金制度などを使い、しっかり民間の園にお願いしていく」と話した。逢坂、天神山の二園については、四月にパブリックコメントを募り、夏に方針を決定する予定。

(作山哲平)

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