幼稚園で預かり保育 待機児童解消目指す 西宮市


神戸新聞

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 認可保育所などに入れない待機児童数の多さが問題となっている兵庫県西宮市は6日、市議会教育こども常任委員会で、問題の解消に向け、市立幼稚園で預かり保育を導入するなどの新規施策を明らかにした。2022年春に必要な受け入れ枠は、今年4月の入所者数より702人分多く必要になると想定。保育士100人以上の増員と、入所者枠を約1200人分拡大することを目指す。

 西宮市は4月下旬、厚生労働省が定義する「待機児童」(同月1日時点)の速報値を370人と発表。この時点で県内最多だったが、その後発表された確定値では345人(前年同期比92人増)となり、県内最多の明石市(365人)に次ぐ人数だった。

 同市では、2歳児までを受け入れる施設から、転入が必要な3歳児を受け入れる枠が少ない「3歳の壁」が課題となっている。そこで市は21年4月から、原則0~2歳児が対象の「小規模保育事業」で、国家戦略特区制度が適用されれば、対象年齢を1~3歳児にして171人分の枠を増やす。

 さらに小規模保育を終えた4・5歳児について、市立幼稚園が預かり保育を担う形で計120人の枠を確保する。初年度の22年度は、夙川、越木岩、高木の3園でスタート。23年度以降も実施園の拡大を検討する。また20~21年度に保育所や認定こども園を計10カ所整備し、786人分の枠を新たに設ける。

 これらの施策がすべて実現しても、22年4月に1歳児の受け入れ枠は86人分不足するといい、同市はさらなる対策で、待機児童解消を目指す。(小林伸哉)



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