子どもの成長の糧になる「失敗」とは? 専門家がアドバイス

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初めてランドセル、初めての学校通い。
この時期、たくさんの“初めて”を経験する新小学1年生。
もちろん楽しいことだけではなく、多くの失敗や間違いも経験することだろう。
しかし、それこそは、子どもの成長にとっての大きな原動力。
ベネッセ教育総合研究所の小泉和義氏が新小1生に勧める「前向きな失敗」とは?

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小1生の場合、まだ一人でできないことがたくさんあります。
その際、保護者がどう行動するかが重要です。
私にも小4になる息子がいます。
息子が小学生になった時に約束したことは
「朝起きたら、自分の顔を洗う前に、小鳥の水を取りかえ、餌をあげること」。
できないときは、きちんと叱りました。
着替えがうまくできなかったり、出発時間になってもぐずぐずしたりすることは、大目に見ました。
たくさんの注文をつけることより、
一つでよいから本人も納得できる「目標」をもって実行する中で、
できないことができるようになっていくのではないかと考えたからです。
子どもは、失敗を「失敗」と意識しない限り、
自分自身で改善することはできないのではないでしょうか。
現在、彼は小4生ですが、保護者が言わなくても自然に自分でできることが増えました。

また、子どもに夢中になれるものが生まれると、
前向きな「失敗」を経験することができると思います。
たとえば「補助輪なしで自転車に乗れるようになりたい」という目標は、
小学校低学年の子どもが抱く代表的な目標の一つですが、
そうした大きい目標があると、何度転んでもくじけずにがんばろうとします。
そんな時こそ、保護者の出番! 
気休めのほめ言葉ではなく、「あともう少しで乗れるようになる!」
という励ましの言葉とともに、「どうしたらうまく乗れるようになるのか」
といった具体的なアドバイスが有効です。
子どもは、真剣にそのアドバイスに耳を傾けるでしょう。
たくさん失敗して、ようやく自転車に乗れるようになった時に見せる子どもの表情は、
保護者にとっては宝物です。
子どもの失敗経験をとおして、子どもも保護者も成長できると思います。
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