仙台のNPOが「子どもの村」建設 震災孤児 地域で見守り

msn産経ニュース
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 東日本大震災で親を亡くした震災孤児と遺児を支援するための“村”が、
来年12月に仙台市に誕生する。同市青葉区のNPO法人「子どもの村東北」は
12日、同市太白区に最大30人の震災孤児を受け入れる施設
「子どもの村」を建設することを発表。
敷地内に建設された家で里親が複数の孤児を育て、
地域で成長を見守っていく仕組みで、
同法人の飯沼一宇(かずいえ)理事長(72)は
「被災した子供たちの心の傷を癒やす場になれば」と話している。

 内閣府によると、今年3月1日時点で震災で両親を亡くした震災孤児は
岩手県94人、宮城県126人、福島県21人の計241人。
片方の親を亡くした震災遺児は、岩手県487人、宮城県857人、福島県139人で
計1483人に上る。

 同法人によると、震災孤児のうち現在児童養護施設に入所しているのは1人だけ。
その他は親族に引き取られているが、
将来的には高齢の祖父母が亡くなって身寄りがいなくなったり、
仮設住宅に住む家庭が経済的に困窮し、
一時的に育児が困難になったりすることが考えられるため、
震災孤児の支援のための施設建設を決めた。

 「子どもの村」は児童養護施設と異なり、
同法人が里親を募り、住む家を提供して家の中で
複数の子供たちを育てる仕組み。
同市太白区茂庭台の約1800坪の敷地内に5軒の家を建設し、
1軒に里親と最大6人の子供たちが共同で生活できるようにする。
里親は来年1月から募集し、
入居対象となる子供は児童相談所からの要請で決定するという。

 また、5軒の家に隣接して「センターハウス」を設立。
児童心理士や社会福祉士、小児科医らの子育ての専門家を常駐させ、
入居している震災孤児や里親の心のケアにあたる。
震災遺児やその家族からの相談も受け付け、
一時預かりなどの要望にも応えるという。

 同法人は「震災が原因ではない孤児と遺児や
虐待を受けている子供らについても幅広く受け入れていく施設にしたい」としており、
行政や地域住民と一体となって子供の支援に取り組んでいく方針だ。
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