プール施錠不十分 保育園児重体事故

YOMIURI ONLINE
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 富士宮市野中東町の社会福祉法人「柿ノ木会野中保育園」(中村章啓園長)で
16日、同市在住の園児の女児(1歳4か月)がプールで意識不明の重体となった事故で、
中村園長が17日、富士宮市役所で記者会見し、
プールの鉄製扉とかんぬきが老朽化して施錠が不十分だったことを説明した。
富士宮署は、業務上過失傷害の疑いもあるとみて、
園内施設の状態や保育態勢などを詳しく調べている。

 中村園長によると、女児は16日午後3時半頃までは園庭で遊んでいた。
保育士5人が様子を見ていたが、
「別の園児がけがをしたため、全員に目が行き届かなかったかもしれない」と話した。

 同3時50分頃、女児がいないことに保育士が気づき、
園内を捜したところ、約20分後、
プール(幅4メートル、長さ8メートル、深さ1メートル)の水面(水深約50センチ)に
あおむけで浮いているのを見つけた。

 プールは、10月でも暖かければ使用するため、水が張られていた。
入り口は観音開きの2枚扉(幅2メートル、高さ1メートル)で、
施錠されていたが、扉とかんぬきが老朽化し、
力を加えると幅20センチほどの隙間ができる状態だったという。

 中村園長は「ほかに園児が入れそうな場所はない」と、
女児がここから入った可能性を指摘。
「設備の老朽化を看過したことが一番の原因。申し訳ない」と謝罪した。

 同園は、豊かな自然の中で園児の自由な行動を尊重する保育園として、
富士宮市内で広く知られている。
17日午後に子どもを迎えに来た女性は
「園児が隠れてしまう草木や施設が多く、気になっていた」と話した。
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