園児の体力、全国水準 福島市の私立幼稚園20園調査

福島民報
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 福島市内の私立幼稚園20園に通う年長児の運動能力は、
全国平均とほぼ変わらなかった。
幼児体育研究所(東京都)の運動能力テストで分かった。
東京電力福島第一原発事故による屋外活動減少の影響が懸念されていた。
福島市私立幼稚園協会は「除染により屋外活動の再開が拡大した」と分析している。

■外遊び増える 除染進み屋外活動再開
 園庭の除染作業を終えた福島市のみその幼稚園。
連日、園児が元気に走り回る。園長で同市私立幼稚園協会専務理事の細谷実さんは
年長児の運動能力が、全国平均とほぼ同じとなった
調査結果に安堵(あんど)の表情を浮かべた。
「外遊びができる環境が広がっている。
屋外活動をできない時期にも各園が知恵を出し
運動する機会を提供した成果だろう」
 同研究所は全国約380幼稚園で運動能力テストを実施している。
福島市私立幼稚園協会の調査結果は、
同時期にテストを行った同年齢の約3000人の平均値と比較した。
 男子の握力は7.5キロで、全国平均の7.1キロを上回った。
女子の長座体前屈は7.5センチ(全国平均7.2センチ)、
垂直跳びは19.2センチ(同18.8センチ)、
握力は6.7キロ(同6.2キロ)となり3項目で全国を上回った。
男子のジグザグ走は全国平均と同じで、
その他は全国平均を下回ったが、大差はなかった。
 同研究所は「全国との差はわずかで、
震災、原発事故による外遊びや運動量の減少による影響は見られない」と分析している。
 市私立幼稚園協会は今後も調査を継続し、対象を年中児にも拡大する。
調査結果は各園に通知し、指導に役立ててもらう。
 協会によると、加盟する20園のうち、
原発事故から間もない平成24年度に屋外で運動会を実施したのは2園だった。
除染が進み、25年度は9園、26年度は14園にまで回復した。
協会は各園から参加できる屋内運動のイベントを企画するなど
運動能力の維持に努めている。
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