学童保育、待機児童3389人 49区市調査



読売新聞
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 ◆児童利用、10年で3割増
 共働き家庭などの小学生を預かる学童保育(放課後児童クラブ)の利用を希望しながらも入れない待機児童が、都内の自治体に少なくとも計3389人いることが分かった。厚生労働省のまとめでは、昨年5月時点の全国の待機児童は1万6941人で、国は2019年度末までに利用枠を30万人分増やす方針を示している。
 読売新聞が、都内の23区と26市から電話などで27日までの状況を聞き取った。49区市を合わせると学童保育を利用している児童は計約10万人。待機児童数は23区合わせて1562人、26市合わせて1827人だった。自治体別で待機児童が最も多かったのは八王子市の370人。次いで足立区の297人、練馬区の289人の順だった。
 待機児童が増えた主な要因は急激なニーズの拡大にある。都のまとめでは、15年5月1日現在で学童保育を利用した小学生は9万8216人で10年前と比べて約3割増えた。小学生の数はほぼ横ばいで推移しており、学童保育の利用を希望する世帯の割合が急激に高まっている。
 各自治体は施設整備に頭を悩ます。
 葛飾区では「保育所建設の時に学童保育を併設するよう働きかけている。だが需要の拡大が急激すぎて追いつけない」、狛江市は「保育所の新設と同様、近隣住民の同意が得られにくい」とする。青梅市では今年3月、待機児童解消プランを作成。学校内の空き教室の活用や空き店舗の転用などで19年度までに460人程度の定員増を進めるとしている。
 指導員の確保も難問だ。保育士などの資格が求められており、「保育所も人手が足りない。人材の取り合いになっている」とこぼす自治体もあった。あきる野市は時給960円で指導員を募集したが、応募はなかった。今年4月から時給を1200円に引き上げたところ、指導員を新たに雇用できたという。
 小学校の空き教室などを使う「放課後子ども教室」との連携も進む。中央区では昨年から、子ども教室の終了時間を午後7時半まで延長。学童保育の待機児童の受け皿になるようにした。練馬区は今年度から小学校3校で学童クラブと子ども教室を一体的に運用する取り組みを開始。来年度はさらに5校で始め、将来的には区内の全小学校で導入する予定だ。
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