2016/11/11

福岡市立こども病院 体の中の情報を画像に


産経ニュース様
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■放射線科科長・川村暢子医師
 治療をする上で大事なのは正確な診断です。放射線科医は、正しい診断のために、検査に最適な画像を撮影する手法を考え、その診断をします。画像検査が必要な疾患のすべてが、私たちの診療の対象といえます。
 当院にはX線撮影、CT(コンピューター断層撮影法)、MRI(磁気共鳴画像装置)などの装置があります。体の中の病気を知るにはいろいろな方法があります。血液検査や遺伝子検査など、それぞれの分野で技術発展がありますが、私たちの科で実施する画像診断も同様です。
 例えば、CTは2年前の病院移転の際に、最先端の機種が入りました。
 とても小さな赤ちゃんの、心臓の筋肉に酸素を運ぶ「冠動脈」まで見えるようになりました。さらに以前に比べて高速で撮影が可能になりました。息を止められない子供でも、ぶれの少ない画像が、安全に撮れるようになったのです。
 この病院には、生まれてすぐに心臓手術が必要となる赤ちゃんが多くいます。
 肺動脈や大動脈をつなぎ替える手術が必要な病気もあります。手術前に冠動脈の正確な情報が得られるのは、とても貴重なことなのです。
 私たちは体の中を撮影するカメラマンといえるかもしれません。ボタンを押して撮るだけと思われるかもしれませんが、そうではありません。
 CTやMRIは撮影や画像処理の方法で、出来上がる画像が大きく違ってくるのです。
 必要な情報は何かを念頭に、見えにくいものを、どのように見えるようにするか。体格などに応じた撮影プログラム選択、造影剤の量や投与方法、画像の作成など、医師と診療放射線技師の共同作業です。
 子供の状態が一番わかるような検査を心がけています。
 大人と違い、検査には子供ならではの苦労が、多くあります。
 エコーの場合、おもちゃなどで遊ばせながら手早く画像を撮っていますが、不安になったのか、泣き続ける子供もいます。
 幼い子供は息を止めることができません。肺のレントゲンは、大きく息を吸うタイミングを見計らっての撮影です。
 MRIは30分から1時間ほどかかります。幼い子供がじっとしているのは難しいです。おおむね8歳以下の子供は、薬を使って寝かせて撮影します。検査中も呼吸がきちんとできているかなど、慎重な観察が必要です。
 安心して検査を受けてもらえるように、この病院では、部屋や検査装置は、明るい色で模様を描いたりしています。
 子供の検査はこのように時間がかかります。検査の際には、余裕を持って来院していただきたいと思います。撮影を待っている方も多くいらっしゃいます。
 遅れる場合や、キャンセル希望は、早めの連絡をお願いします。
 九州大学病院や佐賀大学病院、福岡病院などを経て、平成24年1月にこども病院着任。同年4月から現職。各科から依頼される各種の画像診断を担当し、小児専門病院として質の高い画像診断を提供するよう工夫している。
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