うつぶせ、寝具に潜む危険…乳児の就寝時窒息死が多発



YOMIURI ONLINE 様
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あおむけ、硬めの敷布団で防ぐ

 消費者庁は、厚生労働省の人口動態調査の調査票情報を5年分集めて初めて分析した。160件の窒息死事故のほとんどは家庭内で起きていた。事故状況が分かっている中で最も多かったのが、大人用のベッドにうつぶせの状態で寝て、顔がマットレスに埋まってしまったなどの事例で33件。ほかに、掛け布団などが顔を覆ってしまったり首に巻き付いてしまったりした事例17件、寝ている間に動き、ベッドと壁の隙間などに挟まれた事例13件が目立つ。添い寝をしていた家族が子どもの口や鼻などを覆ってしまった例も5件あった。 
乳児が就寝時に窒息死する事故が多発している。消費者庁は24日、2014年までの5年間で160件に上るという分析結果を公表。うつぶせ寝や大人用の軟らかい寝具に顔が埋もれる状態となった例が目立つ。 専門家は、出来るだけベビーベッドを使い、硬めの敷布団にあおむけで寝かせるよう呼びかけている。
 同庁消費者安全課は、「就寝中の窒息死事故のリスクを減らすには、寝返りを打つようになるなど乳児の発達状況に応じた寝具の利用や、就寝の仕方に注意が必要」と指摘。乳児は大人用ベッドではなく、できるだけベビーベッドに寝かせ、転落しないように柵を常に上げておくことなどを呼びかける。

 一般財団法人「日本ふとん協会」(東京)は、乳児用の敷布団として、体があまり沈み込まない硬めのマット状のものを勧めている。乳児が軟らかい布団にうつぶせの状態で寝ると、顔が埋もれ呼吸ができなくなることがあるからだ。表面に凹凸をつけ通気性を高めた敷布団もある。掛け布団は、ポリエステルや羽毛など、乳児が自分で払いのけられる軽い素材のものが好ましい。
 うつぶせ寝にも気をつけたい。NPO法人「セーフ・キッズ・ジャパン」理事長で小児科医の山中龍宏さんは「寝かせるときは、あおむけにする。寝返りができるようになる生後5、6か月までは、とくに注意が必要」と強調する。窒息とは別に、うつぶせ寝は、子どもが原因不明で死亡してしまう「乳幼児突然死症候群(SIDS)」につながる恐れがあるとされ、あおむけを心がける。
 また、乳児の枕元などに、ぬいぐるみやタオル、ひもなど、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いてしまったりする物は置かないようにする。

 「酒に酔っているときやひどく疲れているときなどは、添い寝はしない方が安全」と山中さん。
 万が一、乳児の様子がおかしい場合は、耳元で大きな声をかけながら足の裏をたたいて意識があるかどうかを確認する。反応がなければ、すぐに119番通報する。日本赤十字社で子どもの救急対応の指導員を務める看護師の清田敏恵さんは「窒息は決して防げない事故ではない。『このくらい大丈夫』という油断をせず、家族で協力して事故の危険を取り除くよう努めてほしい」と話している。
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