園児支えた40年に感謝 被災保育所3月閉所



河北新報様
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東日本大震災で被災し、本年度で閉所する宮城県東松島市小野保育所(園児43人)で28日、「ありがとうの会」があった。約40年間地域の子どもたちの成長を支えてきた保育所にゆかりのある人々が集まり、思い出を語り合った。

 園児と保護者、歴代の所長ら計約120人が参加した。震災後に建てられたプレハブの仮設園舎で園児が歌やお遊戯などを披露。遠足や雪遊びといった保育の様子を映像で観賞した。 思い出を聞かれ、高橋康太ちゃん(3)は「豆まきをしている時、鬼が来たことが怖かった」と話した。 木島泰志(たいし)ちゃん(5)の父克貴さん(42)は、仮設園舎で初めて実施された運動会を思い出に挙げた。「子どもたちの笑顔に救われた」。木島さん一家は震災の津波で自宅を失い、生活再建の途上にある。 保育所は1978年4月に開設され、約340人の子どもたちを送り出した。だが、津波で鉄骨一部木造平屋の園舎が被災。同様に被害を受けた同市牛網、野蒜両保育所と共に仮設園舎で合同保育をしてきた。 被災者の転居や少子化などで地域の保育需要が変化し、昨年4月に新しい牛網保育所が開所。今年4月には新しい野蒜保育所も開所する予定となった。小野保育所の園児は閉所後、卒園児を除き、牛網、野蒜両保育所などに通う見通し。 小野保育所のOGで音楽家の鹿嶋静さん(37)は、会場で学生時代の仲間らとバイオリンを演奏。「仲間とも思い出を共有できてよかった。保育所がなくなるのは寂しいけど、復興の一つと捉えれば前向きに歩いていけるかなと思う」と自らに言い聞かせた。

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