2017/01/06

深夜の保育、認可まだ遠く 京都、基準満たせず運営ぎりぎり


京都新聞様
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内閣府が「みんなが子育てしやすい国へ」という理念を掲げ、2015年度に子ども・子育て支援の新制度を導入して間もなく2年がたつ。「保育の量を増やす」との新制度の方針に沿い、京都市内でも市の認可を受けた保育施設の数は大幅に増えた。一方で、夜間の少人数保育園などは基準を満たさないため今も認可外のままで、ぎりぎりの運営を常に迫られている。
 京阪三条駅近くにある「ほほえみ保育園祇園園」(東山区)。祇園の飲食店で働く母親のために、午後5時から午前3時まで開園している。
 0歳~小学2年の利用者20人は、全員が母子家庭。ほとんどの子が昼間も保育園に通うが、母親が深夜に働いているため、休みがちという。「公園で遊んだことがないから、滑り台を滑れない子もいる」と園長の澤田敦子さん(49)。だから、夕食後に公園に遊びに行くこともある。
 1カ月の利用料は、1歳7カ月児以上で4万2千円。澤田さん自身、祇園で働いていた時に夜間保育園を利用したことがあり、「月10万円の利用料を払うのが本当に大変だった」。しんどさが分かるからこそ、母親1人の収入で支払える金額に設定している。
 だが、保育士を9人雇用し、認可外で行政からの助成もないため、赤字になる月も。「(新制度でできた)『小規模保育事業所』に認められたら、どんなにありがたいか」。澤田さんの本音だが、現実には難しい。
 新制度導入で新たに誕生した「小規模保育事業所」は、特に待機児童の多い低年齢児の受け皿を増やす目的で創設された。0~2歳児を家庭的な環境で保育する施設で、園庭の設置義務や保育士の人員配置基準などが、従来の保育園と比べてハードルが低い。
 さらに最大のメリットは、認可を受けることで子どもの人数に応じた給付金が受けられることだ。そのため、この2年間で多くの認可外保育園が小規模保育事業所に移行した。
 しかし、地域に待機児童がいなければ新規の開園は認められないうえ、3歳児以上は別の保育園や幼稚園へ入り直す必要がある。「真夜中に預かってくれる園なんてない。せめて年長までうちで預かれるなら、認可を得ることも本気で考えたいが…」と澤田さん。
 その日初めてのご飯を園で食べる子や、母親に新しい恋人ができるたびに情緒不安定になる子など、普通以上にケアの必要な子どももいる。「すべての子ども・子育て家庭に、幼児教育や保育、子育て支援の充実を図る」-。新制度が掲げる理念を前に、澤田さんは訴える。「夜に子どもを預けなければならないお母さんたちがいることを、もっと知ってほしい」
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