園舎整備資金 クラウドファンディングで 飯田の保育施設


信毎web様
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 飯田市で野外保育に取り組む認可外保育施設「野あそび保育みっけ」が、人件費などで補助を受けられる認定こども園への移行を目指している。認定には園舎整備が必須なためインターネットを通じて資金調達する「クラウドファンディング」で整備資金を募る方針だ。県が推進する信州型自然保育(信州やまほいく)認定制度は、みっけを含め県内9園を特化型(野外体験活動週15時間以上)に認定しているが、その大半が小規模な認可外保育施設で、園舎や運営費の確保が課題になっている。

 クラウドファンディングで募るのは、みっけが飯田市北方で1月に取得した建物の改修費。もともと飲食店だった鉄骨平屋の建物(約400平方メートル)に調理室や保育室を整え、床をフローリングにする計画だ。園長で県野外保育連盟理事長の内田幸一さん(63)が借り入れを含む自己資金で約500万円を確保。不足分の100万円を募る。
 みっけは現在、同市鼎名古熊の民家を借り、子どもたちが野外で活動できない雨天時や創作活動の拠点としている。広さや機能、耐震面で認定こども園に必要な園舎の基準を満たしていないため、新園舎が必要になった。県次世代サポート課によると、特化型の9園は古民家などを拠点とする事例が多く、容易に認定こども園に移行できない要因になっている。
 県の2017年度当初予算で同課は、特化型の認可外保育施設の人件費や施設整備を補助する制度に3059万円を要求した。ただ、満額認められても、認定こども園対象の補助制度には金額が遠く及ばないという。同課の担当者は「特化型の経営は保育料と寄付頼みで非常に厳しい」とする。
 みっけに通う園児は現在19人で、スタッフ3人の人件費などで年間約900万円がかかる。保育料収入だけでは約200万円不足し、休日に開催する自然体験教室の収益などで赤字分を補っている。園舎の改修費が集まれば、直ちに着工し、17年中に認定こども園の認定を県に申請。18年4月の移行を目指す。
 移行が実現すると、補助金によって毎月の保育料を現在の6割程度の2万円台に引き下げられる見通しという。スタッフを増やすことで基本保育時間も現在の午後3時半までから、午後4時半まで延ばせる。内田さんは「保護者の負担を軽減でき、信州の自然を生かした保育を地域に根付かせるきっかけになる」と話す。
 園舎の改修費は、国内最大級の寄付仲介サイト「Readyfor(レディーフォー)」で2月20日ごろから約1カ月半募る予定。1口1万円からで、寄付者の名前を園児が園舎に手書きしたり、手作りの創作物を贈ったりする返礼を計画している。 

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