県、私学助成を実質増へ 子育て支援、私立幼稚園に補助金


中日新聞様
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県は、二〇一七年度当初予算案に計上する私立学校への補助金を、一六年度比で実質増額させる。税収の落ち込みで大型事業は軒並み前年度割れの見通しだが、「教育の機会均等」に考慮し、手厚く付ける。子育て支援に取り組む私立幼稚園に補助金を出す新制度も立ち上げる。
 私学助成の総額は五百九十二億円。一六年度比では六千五百万円減(0・1%減)だが、これまで私学助成の枠から出していた一部補助金を別の枠に移行するため、その分を含めた実質は三億二千万円増(0・5%増)。
 幼稚園の新制度には六千万円を計上。子育て支援の相談窓口を設けたり、講演会を開いたりしている園に補助金を出す。
 人件費など学校の経常費への補助金は、児童生徒数に単価を掛けて算出する。一七年度は、高校の一人当たり単価三十二万七千七百十五円(一六年度比三千八十八円増)をはじめ、幼稚園、小中学校、専修高等課程すべてで一六年度比1~1・1%増とする。
 一七年度は、県税収入のうち法人二税(法人事業税、法人住民税)を八百億円減と見込むなど、財政状況は厳しい。県財政課は、歳出から歳入を差し引いた「不足分」は千六百億円とはじいている。
 大村秀章知事は「メリハリのある予算編成をする」と繰り返し述べ、交通安全対策などは一六年度比で横ばいを確保できそうだが、土木関連は総じて2、3%前後の減となる見通し。
 その情勢下で、私学助成の増額。財政担当者は「公立学校で受け入れ切れない児童制度の受け皿でもある私学の質を、落とすわけにはいかない」と、述べる。
 (今村太郎)
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