保育所落ちたのは「不当」 大田の保護者が集団で区に審査請求


東京新聞様
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 子どもが認可保育所へ入れなかったのは不当だとして、大田区の保護者六人が二十九日、処分取り消しを求める「行政不服審査請求書」を区へ提出した。昨年四月に改正された行政不服審査法に基づくもので、同法による昨年度までの「異議申し立て」と異なり、区は選考で落とした理由をより詳しく保護者へ提示することが求められる。 (柏崎智子)
 審査請求書で保護者らは、区には必要十分な施設を整備する義務があるとし、入所を求めた。二人の子どもの行き先が決まらない鈴木寛子さん(34)は「選考過程に不信感がある。明らかにしてほしい」と話した。
 区によると、この六人のほか、同日までに九人が同様の審査請求をした。区では、認可保育施設への四月入所の一次選考で五千百三十二人から申し込みがあり、40%の二千七十七人が入れなかった。
 これまでは異議申し立てを区職員が審査し、結果を保護者へ通知していたが、法改正後の行政不服審査請求では、より公正にするため、弁護士や処分にかかわっていない職員らが審理員となる。
 審理員は担当課と保護者から書面や口頭で事情を聞き意見書を作成。区は意見書を踏まえ、第三者機関の行政不服審査会に処分の扱いを諮問する。区は今回の請求について「結論まで四~五カ月かかる」としている。
 保護者らは審査請求書を提出後、浜口和彦区保育サービス課長と話し合いを持った。待機児童解消の見通しを尋ね、ゼロ歳児の受け入れ施設を増やすことや、選考で同点だった場合にどんな人へ加点するのか公開することなどを求めた。
 話し合い後、会社員佐々木真平さん(37)は「自分の身に降りかかるまで、これほど大変とは思わなかった。普通の日々の営みの一環である保育で悩まずに済むようにしてほしい」と話した。
 
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